2001 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスが歯周病の危険因子であるかどうかの直接的証明
Project/Area Number |
13877358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
永田 俊彦 徳島大学, 歯学部, 教授 (10127847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 雅美 徳島大学, 歯学部, 助手 (10291494)
篠原 啓之 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60175388)
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Keywords | ストレス / 歯周病 / 危険因子 / 歯槽骨 |
Research Abstract |
・ハムスター実験的歯周炎の発症に及ぼすストレスの影響 従来より当教室で採用しているハムスター実験的歯周炎の系を立ち上げた。すなわち,5週齢雄性ゴールデンシリアンハムスターに特殊飼料であるDiet-2050を与え,同時に口腔内にA. viscosus ATCC 15987を5日間に渡って滴下感染させ歯周炎惹起の前駆環境をつくり,Diet-2050で12週間飼育することによってハムスター臼歯部に骨吸収を伴う歯周炎を引き起こした。ストレスを与える歯周炎惹起群を実験群,与えない歯周炎惹起群を対照群とした。ストレスの与え方としてrestraint stress(拘束ストレス)を採用した。具体的には,下水管などに用いる円柱形のプラスティックチューブを調整した拘束管を自前で作製し,これにハムスターを1日1時間封じ込めて拘束した。この操作を12週間続け,12週後の歯周炎の状態を比較した。平成13年度は,実際的な拘束方法の試行錯誤に追われたため,実験例数を増やすことができなかった。しかしながら,1回の実験においては,対照群に比べ実験群において著明な歯槽骨吸収を認める結果が得られた。すなわち,歯槽骨の減少度(臼歯のセメントエナメル境から歯槽骨頂までの距離)が対照群に比較して実験群で高い値を示した。以上のことから,ハムスターに与えた心理的および肉体的ストレスが歯周炎の増悪因子となることが窺われた。平成14年度はさらに例数を増やすとともに,肉眼分析に加え,病理組織学的データも収集する予定である。
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