2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨髄未分化間葉系幹細胞マーカーを用いたヒト歯根膜幹細胞の解析
Project/Area Number |
13877359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
喜多 麻衣子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00325797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 松男 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (50332896)
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Keywords | 未分化間葉系幹細胞 / 歯根膜幹細胞 / 組織特異性 |
Research Abstract |
当研究課題に対して平成13年度は、歯根膜細胞の採取および培養を行った。歯根膜細胞を用いた研究では従来より研究施設間での研究成績にばらつきがあることが一般的に知られており、この現象の大きな理由は、分離培養される細胞がヘテロな集団であること、また提供者個体間での性状の差に起因するものであることが広く認められている。そこで複数の個体より細胞を分離培養し、個々の試験結果を詳細に比較検討し、共通して確認される事実に基づき考察を行うのが一般的な研究手法となっている。本年度は上記の通り、鹿児島大学歯学部附属病院歯科外来を訪れた4人の成人患者より、本人の同意のもとに抜去歯歯根表面から細胞を分離培養し5株の臨床分離株を得た。それぞれを通法に従い増殖させ、凍結保存を行った。 その一部の細胞に関して、性状を確認する目的でRT-PCR法による遺伝子発現の予備解析を行ったところ、現在までに論文報告のあるオステオポンチン・1型コラーゲンや骨形成因子およびその受容体発現が確認された。また培養後3日の時点におけるアルカリフォスファターゼ活性を確認するために、酵素活性を利用した染色を行ったところ、明瞭な赤色を発する細胞が存在する事が光学顕微鏡下で確認された。さらに培養条件下において増殖率の測定を行い、既存の実験結果や論文等で報告されている結果と同様の結果を確認することができた。 分離培養に伴う性状変化に関する予備的研究として、骨膜・歯根膜に特異的に発現していることが報告されている分子のペリオスチンに関して遺伝子の発現を検索したところ、RT-PCR法によりその遺伝子の発現を確認することができた。 以上により提供された細胞は歯根膜組織の性質を維持しつつ分離培養されたことが確認できた。現在、引き続き残りの分離培養株に関しても性状の確認を行っている。
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