2001 Fiscal Year Annual Research Report
終末期がん患者の在宅ケアへの移行を困難にしている医療従事者側の要因 -看護者が認知している問題の分析を通じて-
Project/Area Number |
13877430
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
鈴木 志津枝 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00149709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東郷 淳子 高知女子大学, 看護学部, 講師 (20231954)
宮田 留理 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (00244773)
藤田 佐和 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (80199322)
大川 宣容 高知女子大学, 看護学部, 助手 (10244774)
|
Keywords | 終末期がん患者 / 在宅ケア / 在宅への移行 |
Research Abstract |
終末期がん患者の在宅ケアへの移行及び在宅ケアの継続を困難にしている現状と課題を明らかにすることを目的として、終末期がん患者を5年以上ケアした経験のある看護者、がん看護専門看護師、訪問看護を担当している看護者を対象として、半構成的面接法を用いてデータ収集を行い、質的・帰納的分析法を用いて分析を行った。その結果、在宅ケアの移行や在宅ケアの継続を困難にする患者側の要因として、(1)症状コントロールが困難であったこと、(2)予測していなかった症状が出現したことの2点が抽出された。家族側の要因として、(1)実行できない介護スケジュールであったこと、(2)自分の生活パターンと介護スケジュールの調整が困難であったこと、(3)家族が自分の介護能力以上の介護をしたいと考えていること、(4)ヘルパーの導入に対して抵抗がみられたことの4点が抽出された。医療従事者側の要因として、(1)病院で行っていたケアスケジュールをそのまま退院時指導として家族に指導していたこと、(2)緊急時の連絡先に関する情報が少なかったこと、(3)緊急時のバックアップ体制がとられていなかったこと、(5)在宅ケアへの準備時間が不足していたこと、(6)退院後の生活状況が予測できなかったことの6点が抽出された。さらに、組織側の要因として、(1)短期間でも退院させようとするプレッシャーにより、在宅ケアが可能かどうかのアセスメントができていなかったこと、(2)地域との連携システムがないの2点が抽出された。
|