2002 Fiscal Year Annual Research Report
がんリハビリテーション看護の概念と実践指針に関する日米共同研究
Project/Area Number |
13877431
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
遠藤 惠美子 北里大学, 看護学部, 教授 (50185154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪又 克子 北里大学, 看護学部, 講師 (20207723)
久保 五月 北里大学, 看護学部, 講師 (60348597)
諸田 直実 北里大学, 看護学部, 講師 (20210205)
稲吉 光子 北里大学, 看護学部, 助教授 (60203212)
嶺岸 秀子 北里大学, 看護学部, 講師 (20258883)
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Keywords | がんリハビリテーション看護 / 乳がん患者 / 看護情報交換 / 日米共同研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、リハビリテーション看護の概念と実践指針を作成する手始めとして、リハビリテーション看護の観点から乳がん患者に対して日米の看護職者が見出す看護上の問題とケアの内容について、類似点と相違点を明らかにすることであった。研究対象は、日本側では関東地方にある3つのがん専門病院から、米国側ではミネソタ州都心部にある病院から、それぞれに、乳がん患者の看護経験が1〜6年あり、現在もその看護に携わっている看護職者18名ずつをマッチさせて選定した。日米共通で、術後の乳がん患者の一事例を用い、各々の国の研究者が看護職者へインタビューを行い、データの分析には、内容分析を用いた。 研究結果として得られたことは、日米の看護職者が同一事例の中に見出した看護上の問題とケアの内容には類似点が多いことであった。しかし、2〜3の文化や医療制度の違いによると思われる特徴的な相違点が見出された。それらは、米国の看護職者は、術後であってもクライエントの生活には特別な変化は生じないのが普通と見なしているのに比べて、日本の看護職者は、術後には生活の変化が生じると考えていることや、クライエントの抑うつ的な症状に対して、米国看護職者はカウンセラーなどの専門家を積極的に活用する姿勢が明確であるが、日本の看護職者は看護職者自身が対応するなどであった。 本研究の成果は、第12回国際がん看護学会(2002年8月・ロンドン)において日米の研究者で共同発表した。参加者の関心を引き、韓国の看護職者から、同一事例による研究参加の希望があり、日米韓の比較を試みることが可能となった。一事例による調査が本研究の限界であるが、女性が罹患する悪性新生物の1位である乳がん患者に対するリハビリテーション看護の実践指針作成上に役立つ幾つかの示唆を得ることができ、さらに国際的な対話のきっかけとなったことでも意義がある。
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