2001 Fiscal Year Annual Research Report
自己計測機能を持つ並行処理ソフトウェアの系統的開発法に関する研究
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13878057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
乃村 能成 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (70274496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 和夫 (財)九州システム情報技術研究所, 所長 (40037750)
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Keywords | 自己計測 / 並行プログラム / Java / Ada 95 / 計測仕様書 / デッドロック検出 |
Research Abstract |
並行プログラムは同規模の逐次プログラムと比較して振舞いが複雑なために、開発・保守が困難になる傾向がある。並行処理システムの振る舞いを把握するために、システムを計測するためのプロセスをシステムに追加すれば、システムは元の振舞いを変えてしまう。振る舞いを変えないためには、運用に用いられるシステム自身が計測プロセスを含んでいる必要がある。開発段階におけるシステムの計測はこれまでも行われてきたが、運営段階においてまで、信頼性を向上させるために計算機資源を割り当てることは、これまで行われてこなかった。 そこで、本研究では、信頼性と速度のトレードオフを議論し、システム運用段階における計測の必要性を主張した。本研究が対象とするこのようなシステムを自己計測並行システムと呼び、それを構成するプログラムを自己計測並行プログラムと呼ぶ。本研究では、自己計測並行プログラムの保守性・再利用性が低下する原因は、本来の機能を果たすためのプログラム部品(機能部)が、計測を行うためのプログラム部品(計測部)に対して実行時情報を渡すために互いに密接な関係を持つことであることを指摘した。さらに、それを解決するために、実行時情報についての計測部からの要求を機能部から分離して記述することができる、計測仕様書を提案した。また、プログラミング言語Ada95のための計測仕様書の仕様記述法(文法・意味)を提案して、それに基づいた開発支援ツールを実装し、応用として、計測仕様書を用いた自己計測並行システム例を示した。実行時環境に自己計測機能を実装する例として、デッドロック動的検出ツールのJava VMを利用した実装を行った。この事例を用いて、自己計測並行システムにおける性能低下と、計測によって得られる情報の正確さとの関係についての考察を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yusuke Nonaka, Kazuo Ushijima, Hibiki Serizawa, Shigeru Murata, Jingde Cheng: "A Run-Time Deadlock Detector for Concurrent Java Programs"Proc. the Eighth Asia-Pacific Software Engineering Conference (APSEC 2001). 45-52 (2001)
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[Publications] Yusuke Nonaka, Jingde Cheng, Kazuo Ushijima: "Reliability and Performance: Can We Cope with the Both in Development of Self-Measurement Concurrent Systems?-A Case Study of Java Deadlock Detection"Proc. the Pan-Yellow-Sea International Workshop on Information Technologies for Network Era (PYIWIT'02). (to appear). (2002)
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[Publications] 野中裕介, 程京徳, 牛島和夫: "自己計測機能を含む並行プログラムの開発における計測仕様書とその応用"情報処理学会論文誌. 43巻3号(to appear). (2002)
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[Publications] Katsuhiko HATANO, Yoshinari NOMURA, Hideo TANIGUCHI, Kazuo USHIJIMA: "A Method to Support Refactoring Using C & K Metrics"Proc. the Pan-Yellow-Sea International Workshop on Information Technologies for Network Era (PYIWIT'02). (to appear). (2002)