2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳のモデルを用いた自己生成音抑制機能を備えた聴覚機能の研究
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13878066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥乃 博 京都大学, 情報学研究科, 教授 (60318201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 達也 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (00234104)
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Keywords | 自己生成音抑制 / アクティブ雑音抑制 / スペクトル減算 / 頭部音響伝達関数 / 教師あり学習 / テンプレートマッチング / 音響と画像の情報統合 / 実時間処理 |
Research Abstract |
初年度は、設備の充実を行うとともに、「自己生成音の収録とモデルベースの構築」、および、「教師あり学習による自己生成音の予測と抑制機能」に焦点を絞り、研究を進めた。 1.設備の充実-医学用に使用される外耳道モデルをロボット用の耳として使用することにし、また、ロボットの耳への音響的影響を調べるために、音響伝達関数測定システムを導入した。ただし、ロボット本体は和歌山大学で構築されるものを借用することになっているが、機構部の設計が遅れており、未納入である。そのため、科学技術振興事業団北野プロジェクトの上半身ロボツトを使用した。 2.自己生成音の収録とモデルベースの構築-ロボット内に設置された1対の内部音収録用マイクロフォンと1対の外部音収録用マイクロフォンを使用し、ロボットの動作に伴うモータノイズやロボットの外装から発生するさまざまな音を収録し、それらからロボットの動きから生じる自己生成音のモデルを構築した。 3.教師あり学習による自己生成音の予測と抑制機能-上記のモデルベースを使用し、ロボットの取ろうとする挙動から発生するであろう自己生成音を予測し、外部音収録用マイクロフォンから自己生成音の影響を抑制する機能を実現した。具体的には、挙動から推定されれる予測信号を、実際に内部マイクロフォンから得られる音を基に修正し、外部音収録用マイクロフォンに回り込む自己生成音の影響を求め、スペクトル減算によって、自己生成音を抑制する機能を実現した。 本手法での内部発生音抑制機能は、単体の聴覚機能としてはうまく機能することを確認した。しかし、本手法では、左右の耳への影響が異なるので、両耳間位相差や強度差が正しく求まらず、音源定位ができないという問題が発生することが判明した。このような問題から音響と画像の定位情報レベルでの情報統合が難しくなるので、情報統合のためには、ノイズレベルの閾値の制御をモデルベースで行う方法により解決をしている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 奥乃博, 中臺一博: "ロボットの耳は二つで十分か"日本音響学会誌. 58・3. 205-210 (2002)
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[Publications] Okuno.Nakadai.Hidai.Mizoguchi.Kitano: "Human-Robot Interaction Through Real-Time Auditory and Visual Multiple-Talker Tracking"Proc. of IEEE/RSJ IROS-2001. 1402-1409 (2001)
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[Publications] Nakadai, Okuno, Kitano: "Real-Time Multiple Speaker Tracking by Multi-Modal Integration for Mobile Robots"Proc. of Eurospeech 2001. 1193-1196 (2001)
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[Publications] Nakadai, Hidai, Mizoguchi, Okuno, Kitano: "Real-Time Auditory and Visual Multiple-Object Tracking for Robots"Proc. of IJCAI 2001. Vol.2. 1425-1432 (2001)
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[Publications] Nakadai, Okuno, Kitano: "Real-Time Multiple Speaker Tracking by Multi-Modal Integration for Mobile Robots"Proc. of Eurospeech 2001. 1193-1196 (2001)
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[Publications] Okuno, Nakadai, Lourens, Kitano: "Sound and Visual Tracking for Humanoid Robot"IEA/AIE-2001, Springer-Verlag. LNCS 2070. 640-650 (2001)
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[Publications] Okuno, Nakadai, Lourens, Kitano: "Sound and Visual Tracking by Active Audition in "Enabling Society with Information Technology""Springer-Verlag, Tokyo, Berlin. 174-185 (2002)