2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13878110
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
真木 太一 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80314970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 代次郎 愛媛大学, 農学部, 助教授 (80036318)
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Keywords | 草方格 / 中国 / アシワラ / 風速 / 地表面温度 / 相対湿度 / 気温 / 気象改良 |
Research Abstract |
草方格に関して、現地中国での観測および国内での実験を実施した。得られた結果として、まず中国敦煌にて観測した結果について報告する。敦煌での草方格は作って相当の年数が経過しており、地表面に出ているアシワラの高さは3cm程度であり、気象改良効果は落ちているが、それ相応の効果があった。格子状の内部での風速はワラ列上の風速の約50%になった。これはワラ列が最も高くなっているためであり、その特徴が顕著である。また、夏季の気温は40℃、地表面温度は50℃近くまで上昇した時の結果としては、ワラ列の後方で最も高く、ワラ列上で最も低かった。相対湿度はその逆であった。一方、愛媛大学内の圃場に設定した実験区では、風速はワラ列の直前・直後で最も小さく、ワラ列間ではかなり回復して、ワラ列の前方10%付近で最も回復した。また、ワラ列によって減風(最低風速と回復極大風速)が加算していく結果が得られた。さらにはワラ列が無くなった後方では急速に原風速に回復したが、その回復速度は幅の広い防風林での後方での風速回復形態と類似している。この現象は興味深く、またワラ列が5〜6列でほぼ一定な風速に維持されることがわかった。地表面温度はワラ列直前・直後で低く、気温はそれよりも後方の20%付近で最も高かった。湿度は気温と逆の変化傾向であった。 草方格の格子枠としては1mが種々の条件で最適とされる。ワラ列の高さは、設定当初では20〜30cmが適当であり、次第に砂で埋まることが多いが、場所によっては風食によって飛ばされることもある。従って、草方格の本来の目的は、消耗品的な扱いであって、状況の経過に従って適宜、再設定することが不可欠である。また、ワラは安価で、乾燥地でも得られやすく、腐ると有機物として肥料となるなど有効であるため、草方格の資材としては、中国ではアシワラ、ムギワラが適当とされる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 真木太一, 中山美歩, 新山奈央子: "冬春季の草方格の減風特性評価"中国・四国の農業気象. 13号. 38-41 (2000)
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[Publications] 真木太一, 武政 彰, 越田佐英子, 洲脇久子, 岩谷文武: "草方格による気象改変の微気象的特性-2001年冬季の場合-"中国・四国の農業気象. 15号. 69-70 (2002)