2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経機能を制御するペルオキシソームタンパク質の同定と機能解析
Project/Area Number |
13878123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石川 哲也 岡山大学, 医学部, 助教授 (90221754)
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Keywords | ペルオキシソーム / 神経細胞 / 神経突起 / マイクロペルオキシソーム / transport / 順行性輸送 / 逆行性輸送 |
Research Abstract |
神経機能を制御するペルオキシソームタンパク質について理解する上で,ペルオキシソームが神経細胞のどのような部分にどのような状態で存在するのか明らかにする必要がある。これまでに培養神経系細胞PC12D細胞の神経突起中にペルオキシソームが存在することを明らかにしている。そして特に成長円錐に局在していることを報告した。ところがよく調べてみると,PC12D細胞の神経突起中にはペルオキシソームとマイクロペルオキシソームの二種類が存在することがわかった。これまでは,軸索などにはマイクロペルオキシソームが存在することは報告されていたがペルオキシソームが存在していることは知られていなかった。ペルオキシソームとマイクロペルオキシソームの二つが神経突起中に存在するのはそれなりの意義があるのではないかと考え,まずそれらの移動に関する解析(motion time lapse analysis)を行った。その結果,順方向と逆方向にペルオキシソームとマイクロペルオキシソームがそれぞれ移動することがわかった。またそれぞれ100個前後について測定した結果,平均速度は0.230〜0.268μm/sec,ピーク速度の平均が0.329〜0.389μm/sec,移動距離の平均が2.92〜3.50μmであり,順方向と逆方向,ペルオキシソームとマイクロペルオキシソームの間で特に大きな違いはなかった。もしペルオキシソームとマイクロペルオキシソームの間でそれぞれの値が大きく異なっていれば,異なるモータータンパク質によって運ばれていると考えられるが,今回の結果からは異なるモータータンパク質によって運ばれているとは必ずしも言えないという結果になった。しかし,神経突起内をペルオキシソームとマイクロペルオキシソームの両方が順方向,逆方向にほぼ同じ速度で移動していることが明らかになった。以上については投稿準備中である。
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