2001 Fiscal Year Annual Research Report
7回膜貫通型膜タンパク質の合成に共役した構造形成過程の解明
Project/Area Number |
13878135
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阪口 雅郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30205736)
|
Keywords | 小胞体 / トポロジー / 膜タンパク質 / シグナル配列 / 膜輸送 / 受容体 |
Research Abstract |
複数回膜貫通型膜タンパク質は、小胞体に結合したいわゆる膜結合型リボソームによって合成される。ポリペプチドは伸長と同時に膜に存在するポリペプチド鎖膜透過チャンネル(トランスロコン)に進入し、その中でフォールディングが進行する。本研究は、リボソームから伸長してくる膜タンパク質のポリペプチド鎖の膜への標的化・膜への進入開始・トランスロコン内でのヘリックスパッキング過程を、総合的に解明することを目的として提案された。 本年度は、アミノ末端を細胞外に提示する一回膜貫通型シグナルアンカー配列の構造形成に必要な構造をアミノ酸残基レベルで明らかにすることができた(Kidaら、FEBS lett.)。また、Na/H交換輸送体がシグナルペプチドを有することならびに、それに続くトポロジー形成配列を明らかにし、小胞体系のオルガネラ膜に局在することを決定的に示した(Miyazakiら、JBC)。さらに、Kイオンチャネル(KATl)の構造形成過程を探求し、6本の膜貫通セグメント(S1〜S6)の組み込み様式を解明した。この研究では、SlとS2が順次組み込まれること、正電荷を有する親水的膜貫通セグメントS4はS3と同時に相互に依存しながら膜内に組み込まれること、イオンチャネルファミリーに保存されているPループ構造を含むS5-S6領域はS1-S4の領域とは独立に組み込まれうることを示した(Sato, Y.ら、PNAS)。さらにG-タンパク質共役型受容体(GPCR)ファミリーについては、代表として『ロドプシン』の遺伝子の培養細胞系と無細胞系での、小胞体上への発現・組み込み実験系を設定し、無細胞系では酸化剤添加による分子内SS結合形成が再現されるところまで進展している。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Kida, Y. et al.: "Amino acid residues before the hydrophobic region which are critical for membrane translocation of the N-terminal domain of synaptotagmin II"FEBS Lett. 507. 341-345 (2001)
-
[Publications] Miyazaki, E. et al.: "NHE6 protein possesses a signal peptide destined for endoplasmic reticulum membrane and localizes in secretory organelles of the cell"J. Biol. Chem.. 276. 49221-49227 (2001)
-
[Publications] Sato, Y. et al.: "Integration of Shaker-typeK^+ channel, KAT1 into the endoplasmic reticulum membrane : Synergistic insertion of voltage sensing segments, S3-S4 and independent insertion of pore-forming segments, S5-P-S6"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99. 60-65 (2002)
-
[Publications] Horie, C. et al.: "Characterization of the signal that directs the C-tail anchored proteins to the mammalian mitochondrial outer membrane"Mol. Biol. Cell. 13(in press). (2002)