2002 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオームが忌避する配列をもつ人工タンパク質の示す免疫原性能力の調査
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13878137
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
芝 清隆 財団法人癌研究会, 癌研究所・蛋白創製研究部, 部長 (40196415)
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Keywords | 人工タンパク質 / 蛋白工学 / 進化分子工学 / くり返し / エピトープ |
Research Abstract |
現存天然タンパク質から大きく離れた構造を持つ人工タンパク質を人工的に作製し、これら人工タンパク質の免疫惹起能力を調査することを目的とした研究である。人工タンパク質は、マイクロ遺伝子をタンデムに重合することから作製する。マイクロ遺伝子の設計は次の戦略に従う。(1)天然タンパク質が忌避する配列性向を、「ジペプチド」の出現頻度といった尺度で調査し、(2)マイクロ遺伝子が3つの読み枠でコードするペプチドのジペプチドが、できる限り、天然プロテオームが忌避するジペプチドから構成されるようにデザインする。昨年度の研究では、2文字列の分布を、大腸菌をモデルとして調査し、これをアミノ酸の含量で補正し、天然タンパク質で用いられているジペプチド配列の出現頻度に点数付けをおこない、ジペプチドの「嫌われ度」のindexを完成した。この「嫌われ度」indexを利用して、任意に与えた初期配列を読み枠の1つにコードし、他の読み枠に「嫌われ度」の高いペプチドをコードするような塩基配列をデザインするプログラムは問題なく作成できた。今年度は、初期配列を含めて、全体の「嫌われ度」を高めていくようなアルゴリズム、具体的には、いくつかのランダムサンプルした配列からスタートし、より広い配列空間をサーチできるプログラムを開発することをめざした。この目的を達成するためには、現在のアルゴリズムを用いていては、計算時間、データ保存に必要な計算機容量に問題があるため、新たにジペプチドの内包する他の読み枠のアミノ酸配列情報を含めた、マイクロ遺伝子デザイン法を開発した(国内・海外特許出願中)。これにより、マイクロ遺伝子のデザイン時間の大幅な短縮が可能となった。今後、このアルゴリズムを利用してデザインしたマイクロ遺伝子からプロテオームが忌避するジペプチドからなる人工タンパク質を作成し、その免疫原性を調べていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shiba, K., et al.: "On the role of periodism in the origin of proteins"J.Mol.Biol. 320(4). 833-840 (2002)
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[Publications] Shiba, K., et al.: "Translated products of tandem microgene repeats exhibit diverse properties also seen in natural proteins"Protein Engineering. (印刷中). (2003)