2001 Fiscal Year Annual Research Report
膜蛋白質に対する相互作用を検出できる新しいtwo-hybrid法の開発
Project/Area Number |
13878140
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 達哉 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (90280627)
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Keywords | two-hybrid法 / 膜蛋白質 / 酵母 / クローニング |
Research Abstract |
酵母two-hybrid法は、生化学的方法に代わる簡便かつ強力な蛋白質間相互作用の検出方法として広く用いられているが、膜蛋白質の場合には本来の構造を維持したまま核内で発現させることが不可能であるため、構造に依存した相互作用は検出することができない。本研究は、原法の転写因子の再構成に代わって、酵母の接合因子情報伝達経路を利用することにより、この問題点を克服した新しいtwo-hybrid法の開発を目指した。酵母の接合因子情報伝達経路は、接合因子に応答してMAPキナーゼカスケードが活性化される。これは受容体の活性化に伴いG蛋白質αサブユニットから解離したβ/γサブユニットが、足場(scaffold)蛋白質Ste5との結合を介してキナーゼ複合体を細胞膜にリクルートすることによって起こる、したがって膜蛋白質XとSte5-蛋白質Y融合蛋白質とを酵母内で発現すると、XとYが相互作用する場合に限りSte5が人工的に細胞膜へとリクルートされて経路が活性化されることになる。経路の活性化に応答するレポーター遺伝子(FUS1)を組み込んだ酵母を宿主に用いることにより、膜蛋白質X-蛋白質Y間の相互作用をレポーター遺伝子の発現として検出することができる。 必要とされる種々の遺伝的改変を加えた宿主株を構築した。Ste5融合蛋白質発現用ベクターとして、Ste5の発現プラスミドの終止コドンを欠失させて代わりにマルチクローニングサイトを導入したものを構築した。コントロール実験として、膜蛋白質Sholに結合することが知られている配列をSte5融合蛋白質発現用ベクターに挿入し、この宿主株に導入したところ、レポーター遺伝子の発現が陽性になることが確認され、系の実効性が確認された。
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