2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポジショナルインフォーメーション理論を膜結合型リガンド系により具体化する
Project/Area Number |
13878156
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
本多 久夫 兵庫大学, 健康科学部, 教授 (10289118)
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Keywords | 位置情報理論 / 位置価 / ephrin / 網膜視蓋投射 / 可塑性 / 神経軸索 |
Research Abstract |
膜タンパクephrinとそのリセプターEphを発現する細胞は特別な相互作用を行うことに注目し、これらの細胞を形態形成のポジショナルインフォーメーション理論に組み入れる可能性を提案している。 肢芽などの細胞において、同じ細胞がephrinもレセプターも発現するとすると、発現タンパクレベルの勾配が形成されることは既に示した。今回9月に中部大学(春日井市)で、Intern Conf on Morphogenesis and Pattern Formationの国際会議があり、内外の形態に関する理論家および実験家の前で招待講演としてPositioning of cells at their intrinsic sites in multicellular organismsの講演を行い、参加した研究者に直接説明し議論する機会がもてた。この内容は、11.研究発表に示すように単稿本として3月に発行される。国内での発表は、日本生物物理学会年会(名古屋大11/4)および形の科学会シンポジウム(京都大11/10)で行った。 ephrinとそのリセプターの相互作用は融通性のないものであるが、神経細胞軸索の場合、その細胞密度が高い所で場所の取り合いが起こり、一見、柔軟な可塑性とよばれる振る舞いをする。この点をきっちり押さえるために、この相互作用発見のもとになった、網膜視蓋投射で競合がおこるモデルをつくった。これにより、生物らしい柔軟な神経細胞の振る舞いを実現することができた。これは、第12回数理生物学シンポジウム(北大・水産、函館9/20)で発表し、最近、Keystone Symp Axonal connections(2/14,Colorado, USA)で、Plastic servomechanism model for the topographic projection of retinal ganglion cells to the midbrain(No.135)の発表を行った。
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Research Products
(1 results)