2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳内長銷cDNA解析データベースを基盤としたマウス扁桃体の情動神経機構の解明
Project/Area Number |
13878163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
湯浅 茂樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70127596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古関 明彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40225446)
小原 収 かずさDNA研究所, ヒト遺伝子研究部, 部長
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Keywords | データベース / cDNA / 抗体 / 扁桃体 / 海馬 / 情動 / アミノ酸配列 / huntingtin |
Research Abstract |
かずさDNA研究所のヒト脳内長鎖cDNAの塩基配列データベース中で、RT-PCRによる解析からヒト扁桃体に特異的、あるいは特に強く発現する遺伝子cDNAを選んだ。そして、そのクローンに対応するマウスホモローグの構造を明らかにし、塩基配列をもとに推測されるアミノ酸配列からポリクローン抗体を作成した。本年度はクローンKIAA0946,KIAA0979の2つのクローンに対応するポリクローン抗体の作成に成功した。KIAA0946に対応する抗体でマウス脳組織の免疫染色を行うと、扁桃体に強い発現が認められ、海馬には弱い発現、小脳顆粒細胞のサブセットに中程度の発現が認められた。扁桃体ではほぼすべての亜核のニューロンに発現しており、細胞質と核小体が陽性反応を示した。海馬ではCA1の錐体細胞に限局した発現が認められた。一方、KIAA0979に対応する抗体を用いると、マウス扁桃体の中心核と外側核、基底外側核および大脳皮質側頭葉に強い発現が認められ、大脳皮質5〜6層、海馬、視床には弱い反応が認められた。また、小脳顆粒細胞に強い発現が認められた。 上記の2クローンは遺伝子発現パターンから推測された蛋白レベルの発現がほぼ予想通りで、今後上記データベースをもとにポストゲノムの発現、機能解析へ進むストラテジーを強く支持する結果が得られた。KIAA0946はhuntingtin interacting proteinと高い相同性を示し、病態との関連も含めて機能解析を進める予定である。また、KIAA0979は前立腺でandrogenに反応性を示すことが知られており、扁桃体における発現の性ホルモンに対する反応性から、情動との関連性を検討してゆく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yuasa, S.: "Development of astrocytes in the mouse embryonic cerebrum tracked by tenascin-C gene expression"Archives of Histology and Cytology. 64・1. 119-126 (2001)
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[Publications] Yuasa, S.: "Development of astrocytes in the mouse hippocampus as tracked by tenascin-C gene expression"Archives of Histology and Cytology. 64・2. 149-158 (2001)
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[Publications] Hattori, K.: "N-methyl-D-aspartate-induced c-Fos expression is enhanced in the forebrain structures related to emotion in Fyn-deficient mice"Brain Research. 905. 188-198 (2001)
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[Publications] Koizumi, K.: "The role of presenilin 1 during somite segmentation"Development. 128. 1391-1402 (2001)
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[Publications] Nakai, D.: "Mouse homologue of coq7/clk-1,longevity gene in Caenorhabditis elegans,is essential for coenzyme Q synthesis,maintenance of mitochondrial integrity,and neurogenesis"Biochim.Biophys.Res.Com.. 289. 463-471 (2001)