2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳内長鎖cDNA解析データベースを基盤としたマウス扁桃体の情動神経機構の解明
Project/Area Number |
13878163
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
湯浅 茂樹 国立精神・神経センター, 微細構造研究部, 部長 (70127596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 收 かずさDNA研究所, ヒト遺伝子研究部, 部長
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Keywords | データベース / cDNA / 抗体 / 扁桃体 / 海馬 / 情動 / ノックアウトマウス / 微小管 |
Research Abstract |
かずさDNA研究所のヒト脳内長鎖cDNAクローンライブラリーをもとに、そのマウスホモローグであるmKIAAクローンを作成し、これを用いてGST融合蛋白質を作成した。各クローンに対応する蛋白質に対するウサギポリクローン抗体を網羅的、系統的に作成し、マウス成体脳組織切片を用いて間接酵素抗体法による免疫組織化学染色を行ない発現様式のスクリーニングを行なった。約200個のクローンを解析し扁桃体ならびに関連した大脳辺縁系において特徴的な発現を示すものについて、さらに詳しい組織学的解析を行なった。抗体GX05は扁桃体基底外側核並びに海馬CA3のニューロン尖端樹状突起に強い局在性を示し、共焦点レーザー顕微鏡、免疫電顕的に後シナプス樹状突起内の微小管と結合して存在することが明らかになった。また抗体GX35、抗体GX165、抗体D02-1-1ROSは扁桃体中心核に局在し、特にGX35はニューロン尖端樹状突起に強い局在性を示した。さらに、GX50は外側核ではニューロンに、中心核、内側核ではニューロン周辺の構造に局在性を示した。 上記のごとく、扁桃体の亜核や細胞内局在について特異性を示す抗体の作成に成功し各クローンの発現様式が明らかとなった。今後、扁桃体各亜核の機能解析、特に特定の亜核に遺伝子を発現させ、あるいは遺伝子発現を抑制する研究への応用が可能となった。ついで、これらのクローンの遺伝子ノックアウトマウスの作成をおこなった。各ノックアウトマウスは正常に出産し成長した。脳組織微細構造と行動異常の解析は現在進行中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hidenori Aizawa: "Development of the amygdalohypolhalamic projection (stria terminalis) in the mouse embryonic forebrain"Journal of Comparative Neurology. (発表予定).
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[Publications] Mitsunari Nakajima: "Abnormal blood vessel development in mice lacking presenilin-1"Mechanism of Development. (発表予定).
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[Publications] Noriko Okazaki: "Prediction of the coding sequences of mouse homologues of KIAA Gene"DNA research. 10. 35-48 (2003)
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[Publications] Shigeki Yuasa: "Impaired cell cycle control of neuronal precursor cell in the neocortical primorclium of presenilin-1-deficient mice"Journal of Neuroscience Research. 70. 501-513 (2002)
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[Publications] 松本 元: "エモーショナル・ブレイン"東京大学出版会(出版予定). (2003)