2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13878184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Keywords | マトリックスメタロプロテアーゼ / プラスミドDNA / 生体吸収性ハイドロゲル / 徐放化 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究では、まず、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-1の遺伝子を含むプラスミドDNAを作製した。Flagシステムを用いて得られたプラスミドDNAがMMP-1タンパク質を発現することを確かめた。このプラスミドDNAをトランスフォームした大腸菌を増殖させることにより、大量のMMP-1プラスミドDNAを得た。ゼラチンのカルボキシル基にエチレンジアミンを化学導入することにより、カルボキシル基の50%がアミノ基に置換されたカチオン化ゼラチンを作製した。このカチオン化ゼラチンをグルタルアルデヒドにて化学架橋することによってハイドロゲルを得た。得られたカチオン化ゼラチンハイドロゲルならびにMMP-1プラスミドDNAをそれぞれRI標識した後、マウスの背部皮下に埋入、経時的に放射活性を測定することによりハイドロゲルのin vivo分解およびプラスミドDNAのin vivo徐放について評価した。その結果、架橋反応条件を変化させることで、ハイドロゲルの生体内分解性をコントロールすることができた。また、この架橋条件はプラスミドDNAの体内での徐放性にも影響を与えた。両者の放射活性の時間変化はよく相関しており、プラスミドDNAがカチオン化ゼラチンハイドロゲルの分解とともに徐放されていることがわかった。MMP-1プラスミドDNAを含有したゼラチンハイドロゲルの埋入部位周辺における組織免疫試験を行ったところ、MMP-1タンパク質の発現が認められた。一方、MMP-1プラスミドDNAの水溶液投与では発現は見られず、このことは、プラスミドDNA徐放化が発現に有効であることを示している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 佐藤江利子, 笠原啓史, 篠崎芳郎, スベルラー卜・ボルチヒーナ, 田中越郎, 田畑泰彦, 折井正博, 小出司郎策, 盛 英三: "生体吸収性徐放化ゲルによる遺伝子導入効率の改善"呼吸と循環. 49(3). 285-290 (2001)