2001 Fiscal Year Annual Research Report
病態モデル小動物における腎糸球体微小循環可視化法の開発と病態生理学的解析
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13878185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 壽一郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80294403)
荒木 淳一 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80271055)
清野 佳紀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80028620)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
入部 玄太郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90284885)
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Keywords | CCD生体顕微鏡 / 糸球体 / 輸入・輸出細動脈 / 高血圧 / 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究において、我々は、高速度高分解能撮影用ペンシルレンズCCD生体顕微鏡を開発した。その解像度、分解能を評価するため正常ラット、自然発症高血圧ラット、ストレプトゾトシンによる(STZ)糖尿病ラットにおいて腎糸球体の血流を測定した。正常ラットにおける糸球体輸入細動脈、輸出細動脈の径はそれぞれ11.9±0.7、8.9±0.7μmであった。輸入細動脈、輸出細動脈はそれぞれの糸球体について同時観察が可能であり、また動脈圧、腎動脈流速も測定可能である。自然発症高血圧ラットの輸入細動脈径は正常ラットの60%(6.8±1.1μm)まで低下しており、STZ糖尿病ラットでは逆に輸入細動脈の拡張(14.5±2.1μm)が認められた。さらに、カルシウムチャンネルブロッカー(バルニジピン)の効果を輸入細動脈(Af)と輸出細動脈(Ef)の径の比(Af/Ef)を用いて評価した。すべての群で、輸入細動脈、輸出細動脈の用量依存性の拡張反応が観察されたが、Af/Efには顕著な差異が認められた。正常ラットではバルニジピンを投与してもAf/Efには変化が見られなかった。しかし、自然発症高血圧ラットでは輸入細動脈の顕著な拡張によりAf/Efは用量依存性に増加し、STZ糖尿病ラットでは輸出細動脈を主に拡張するためAf/Efの有意な低下が認められた。これらの所見は高血圧時のこのように我々の開発した高速度高分解能撮影用ペンシルレンズCCD生体顕微鏡は生体での微小循環の観察に十分な性能を有すことが確認でき、高血圧、糖尿病などにおける腎病変の解明に役立つものと考える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Yamamoto: "In vivo visualization of characteristics of renal microcirculation in hypertensive and diabetic rats"American Journal of Physiology. 281・3. F571-F577 (2001)
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[Publications] T.Yamamoto: "In vivo viualization of angiotensin II-and tubuloglomerular feedback-mediated renal vasoconstriction"Kidney International. 60・1. 364-369 (2001)
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[Publications] T.Yamamoto: "Direct in vivo visualization of renal microcirculation by intravital CCD videomicroscopy"Experimental Nephrology. 9・2. 150-155 (2001)