2014 Fiscal Year Annual Research Report
多孔性配位高分子の作るナノ空間中での超不安定ケイ素種の新しい化学
Project/Area Number |
13F03032
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (20140303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Liangchun 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 細孔 / 吸着 / 錯体 / 触媒 / ラジカル / 多孔性配位高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属イオンと有機配位子によって構築される配位高分子のうち、内部に均一なミクロ孔を有する多孔性配位高分子(以下PCP)は、新しい多孔性物質として近年世界中で爆発的に研究が進んでいる。PCPは(1)有機配位子の特性を利用して細孔空間の化学的および物理的性質を変化させられる事、(2)結晶性の非常に柔らかな構造体を構築できるという2つの特徴を有している。これまでに、(1)と(2)の特徴を組みあわせ非常に不安定な化学種であるナイトレンをナノ空間中で安定に光照射によって発生させることに成功しているが、本研究課題ではPCPのナノ空間の持つ特異性に着目することによって、従来不安定で研究することが不可能であったような化学種を対象とした化学の展開を試み、それをPCPの空間機能と結び付け、新しい多孔性材料化学の展開を図るものである。今年度は新たにジカルボン酸を配位サイトとし、ニトロキシルラジカルを分子内に有する配位子を合成し、それを用いた新しいPCPの合成に成功した。気体吸着測定、電子スピン共鳴スペクトル測定および単結晶X線回折測定等で詳細な物質の同定を行った。X線結晶構造解析の結果、このPCPは3次元性の細孔を有しており、その細孔表面には高密度でラジカル種が存在していることを明らかにした。本物質は強固なフレームワークが作るナノ空間中にラジカル種が配置されており、昨年度合成したPCPよりも大幅に安定性が向上していることが分かった。また、吸着測定により、このPCPはその空間に二酸化炭素等を吸着できることがわかった。今後は、空間中のラジカル種を触媒サイトとする、新しいナノ空間固体触媒材料としての展開が大きく期待できる成果を得た。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)