2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
依光 英樹 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00372566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DHANANJAYAN Vasu 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 芳香族化合物 / 芳香環リフォーム / ジベンゾチオフェン / トリフェニレン / 遷移金属触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポルフィリンの高効率化学修飾を目指し、反応の効率化をまず検討した。当初の目的では、ポルフィリンを求核剤、ハロゲン化アリールを求電子剤とする直接アリール化を念頭におき、研究を進めていた。その中で、ハロゲン化アリールを求電子剤とする代わりに、より反応性が高いもののその不安定性ゆえにあまり注目されることのなかったアリールスルホニウム塩を用いて反応を検討したところ、極めて効率よく直接アリール化が進行することが明らかになった。 この偶然の発見に基づいて、アリールスルホニウム塩をうまく用いることができればポルフィリン同様極めて重要な芳香族化合物であるトリフェニレン母核を効率よく合成することができると考えた。実際、望みのトリフェニレンを効率良く合成することが可能となった。 ジベンゾチオフェンを4-クロロブチル化し、得られるスルホニウム塩をナトリウムテトラアリールボラートとパラジウム触媒存在下に反応させると、ターアリールスルフィドが効率よく得られることが明らかになった。ボラートとスルホニウム塩のクロスカップリングは世界初である。ついで分子内SN2反応によりターアリールスルホニウムとする。最後に、パラジウムSPhos触媒で処理したところ、目的の分子内直接アリール化が進行し、トリフェニレンを合成することができた。有機硫黄化合物を用いるCH活性化の世界初の例である。 本手法は、合成の困難なトリフェニレンの自在合成法であり、有機合成上その重要性は大きい。ポルフィリンへの適用や有機エレクトロニクスへの展開などその可能性は図り知れない。特に、芳香環であるジベンゾチオフェンを別の芳香環に変える「芳香環リフォーム」を達成できたのは意義深い。 本研究は化学系のトップジャーナルAngewandte Chemie International Editionに掲載が決定した。多大なインパクトを与える研究となろう。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)