2013 Fiscal Year Annual Research Report
高分子/ナノ粒子コンポジットを用いた超撥水性コーティング法の開発
Project/Area Number |
13F03067
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
藤嶋 昭 東京理科大学, 学長室, 学長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LATTHE Sanjay 東京理科大学, 総合研究機構・光触媒国際研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 超撥水 / 超親水 / ゾルゲル法 / セルフクリーニング / 光触媒 / コンポジット |
Research Abstract |
本研究課題では, 高分子/ナノ粒子コンポジットを用いた超撥水性コーティング法の開発を目的とし, 酸化チタンやシリカなどの金属酸化物ナノ粒子をポリジメチルシロキサンなどの高分子とコンポジット化し, これを基板に塗布・乾燥させて機能性表面を作り出すことを目指している. 光触媒をはじめとしたナノ機能材料の創製とその機能性表面への応用展開を目指し, 耐久性ある堅牢なコーティングによって, 実用レベルに耐えうるコーティング法の開発を目的とする. 本年度に取り組んだ研究内容は以下の通りである. 半透明でセルフクリーニング効果のある超撥水コーティング手法の開発を行った. ガラス基板にシリカナノ粒子とポリメチルメタクリレート(PMMA)で調整したゾルゲル溶液をディップコートで成膜した. シリカに対してPMMA高分子が2%以下になるように調整すると, 水滴接触角が150。以上で機械的強度にも優れた超撥水膜になることを見出した. さらに, 疑似汚れを含んだ水溶液もよく弾き汚れないこと, 水流で衝撃を与えても超嬢水性を維持し, 大気中で保存して6ヶ月以上安定であることも明らかにした. また, 基材をポリカーボネート樹脂に変更し, 酸化チタンナノ粒子によるセルフクリーニングコーティング法の開発にも取り組んだ. 光触媒作用による樹脂の保護と耐スクラッチ性を向上させるために, シリカ中間層の検討を行い, 酸化チタンとシリカ共にゾルゲルプロセスで成膜できること, そして, その組成最適化の検討を実施した. これが成功すれば, 軽量かつ傷が付きにくい光触媒セルフクリーニング樹脂窓への工業化に大きな期待が持てる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画ではゾルゲルプロセスの開発を計画していたが, 産業界からの高い要望に応えるため, ポリカーボネートなどの樹脂へのコーティングにも応用展開し, 基板の違いによる影響などにも取り組んだ.
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Strategy for Future Research Activity |
本技術はコスト競争力があるだけではなく超撥水と超親水を容易に作り替えることができ, 産業化しやすいことから, 要望の高いポリカーボネートやアクリルなどの樹脂へのコーティングへ適用するための検討を行う.
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Research Products
(3 results)