2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉澤 和徳 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10322843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TSAI Jing-Fu 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ツノカメムシ科 / 系統進化 / 卵保護行動 / 形態進化 / 比較法 |
Outline of Annual Research Achievements |
親による子の保護行動の進化の要因の解明は,進化生物学で最も興味深いテーマの一つとなっている.本研究では母親による卵や子の保護行動の研究の進んでいる半翅目ツノカメムシ科ツノカメムシ亜科昆虫を対象に以下の研究を行った.1)ツノカメムシ亜科の分子系統関係の解明,2)卵保護行動の進化パターンの解明,3)卵保護行動の進化要因. 1)核 18S rDNA, Histone 3,ミトコンドリア 12S rDNA, 16S rDNA, COI 遺伝子を用い,ツノカメムシ亜科44種の系統関係を推定した.外群にはツノカメムシ科の他の亜科の8種を用いた.解像度の高い系統仮説が得られ,Acanthosoma 属が非単系統群であることなど新たな知見も得られた. 2)1で得られた系統樹上に卵保護行動の有無を再構成した結果,保護行動が独立に少なくとも4回(亜科内3回,外群1回)進化していることが明らかとなった.亜科内での保護行動の単一起源の可能性は,尤度比検定により有意に却下された. 3)卵保護行動を行わない種で,腹部にある特殊な器官からの分泌物を卵に塗り付ける行動が確認された.また,この分泌器官は,卵保護行動を行う種では,消失または退化していることも明らかになった.分泌器官の有無を系統樹上に再構成し,卵保護行動の有無の再構成結果と比較したところ,卵保護の進化と分泌器官の退化/消失は常に同じ系統枝で起こっており,両形質の進化は系統的に有意に相関していることが明らかとなった.分泌器官が消失した種で,行動情報が得られていない種が多数存在するが,それらの種においてもらん保護行動が生じている可能性は高い.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)