2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03087
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
貝沼 章子 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANDRES BARRO Cristina 東京農業大学, 応用生物科学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 酢酸菌 / 酢酸発酵 / 食酢醸造 / Acetobacter属 / Gluconacetobacter属 / Acetobacter pasteurianus / Gluconacetobacter xylinus |
Research Abstract |
本研究は、食酢醸造に用いられる主要酢酸菌二属(Acetobacter属およびGluconacetobacter属)の酢酸発酵特性について、その発現のメカニズムを解明することを目的とする。本課題については、平成25年5月末に当該外国人特別研究員が来日した時点より開始した。現時点では下記のような進捗状況である。 1. 食酢醸造において静置発酵に用いられるAcetobacter属の酢酸菌18種、深部通気発酵に用いられるGiuconacetobacter属の酢酸菌16種について次世代シーケンサーを用いてゲノム解析を行い、ドラフトゲノム配列を取得した。これを基にして、解析した両属全株について全遺伝子の対照表を作成した。現在、このデータを基にして、両属に共通する遺伝子群および各属に特徴的な遺伝子群を抽出中である。 2. 各属より代表株として、Acetobacter pasteurianus NBRC3283株およびGluconacetobacter xylinus NBRC3288株を選定し、酢酸菌の代謝を知る上で重要な種々の炭素源(エタノール/グルコース/酢酸)単独或いは複数存在下での生育挙動および酸生成挙動について検討を行った。これにより、両株の酢酸発酵における表現性状の特徴を把握した。 3. 上記2に基づき、各株について菌体内mRNA発現の網羅的解析を行うための培養条件および生育段階中のサンプリングポイントの検討を行った。両株とも、培養条件により多様な挙動を示したため、本課題の目的に即した解析条件としては、それぞれの実際の食酢醸造条件に準じた条件に絞ることが望ましいと判断した。 4. 上記3に基づき、両株において、食酢醸造中の遺伝子発現挙動の特徴が解析できる条件でサンプリングした菌体についてtotal RNAを抽出し、現在RNA-seq解析を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム解析および保有遺伝子菌株別対照表の作成が終了し、両属の保有する遺伝子の違いを抽出する準備が完了した。また、各属代表株一種について、遺伝子の発現解析に供する培養/サンプリング条件が決定し、既にRNA-seq解析を開始できているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、両属の保有遺伝子の違いの抽出と遺伝子発現挙動解析を併せて行い、酢酸発酵生理の特徴を遺伝子レベルで解明する予定である。当初予定していたプロテオーム解析は不要と考えられるため、計画から削除する。現在までに他のプロジェクトで得られている結果とタイアップした考察等も加えて、酢酸菌の酢酸発酵生理についての知見を得る。
|
Research Products
(1 results)