2013 Fiscal Year Annual Research Report
肥満者の運動リハビリツールとしての新世代アクティブテレビゲームの活用
Project/Area Number |
13F03214
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
宮地 元彦 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 部長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JULIEN Tripette 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | テレビゲーム / エネルギー消費量 / 減量 |
Research Abstract |
本年度は、アクティブビデオゲームの減量効果を明らかにするために、1)新世代アクティブビデゲーム実施時のエネルギー消費量を家庭と同様の環境で測定できるメタボリックチャンバーを用いて定量化すること、2)減量を必要としつつ育児により運動実施機会を確保しにくい産後女性において、アクティブビデゲーム実施による減量効果を検討することを目的として研究を実施した。 1) N社が開発したアクティブビデオゲームに含まれる18のゲームのエネルギー消費量を、成人男女16名を被験者としてメタボリックチャンバーを用いて定量化した。18ゲームのエネルギー消費量は2.2メッツから4.7メッツ、心拍数は86bpmから109bpmの範囲に分布し、3メッツ未満の低強度が8ゲーム、3メッツ以上の中強度が10ゲームであった。以上の結果から、N社のアクティブビデゲームは、家事、歩行、軽いスポーツなどと同程度のエネルギー消費量であることが示された。 2) 32名の産後女性を、N社のアクティブビデオゲームを用いて40日間の減量に取り組む介入群と、何も行わない対照群に分類し、ゲーム実施量、食事量、体重や身体組成などの変化を観察した。その結果、介入群の参加者のアクティブビデオゲームによるエネルギー消費量が1日あたり117kcalであり、介入群は対照群よりも1.7kg多く体重が減少し、その減少の多くが体脂肪であった。以上の結果から、アクティブビデゲームは育児で外出などが阻害される産後女性に家庭内での運動機会を提供できること、40日間で1.7kgの減量効果が期待できることが示唆された。 新世代のアクティブビデゲームの実施は十分なエネルギー消費量を伴う身体活動であり、スポーツや体力づくり運動などに参加が困難と思われる人々の健康増進に貢献が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの実験を終了しただけでなく、2本の原著論文を執筆し、そのうち1本はスポーツ科学分野で国際的に最も権威のある学術誌に掲載され、スポーツ科学分野で最も大きな日本体力医学会において招待講演を終えることができた点は評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、N社以外の開発した新世代アクティブビデゲーム実施によるエネルギー消費量を定量化し、減量以外の健康増進効果について検討することを予定している。
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Research Products
(2 results)