2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13F03301
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤目 ゆき 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60222410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Dongsook 大阪大学, 人間科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 広島朝鮮人 / 朝鮮人被爆者 / 広島女性運動 / 在日朝鮮人女性運動 / 広島県朝鮮人被爆者協議会 / 在日本朝鮮人連盟 / 李実根 / 朝鮮女性同盟 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度の研究実績は、第一に、被爆朝鮮人に関する研究史と動向の調査をふまえて、三度にわたる研究会を大阪大学で行い、その成果を梁東淑氏が研究ノートにまとめ、大阪大学人間科学研究科グローバル人間学専攻紀要『グローバル人間学』に発表したことである。 第二に、ひろしま女性学研究所の協力を得て、広島の被爆朝鮮人に関する資料の収集を行った。それらを整理・分析した成果の一部も、上記の研究ノートに紹介している。 第三に、李実根氏と朴玉順氏を中心として広島在住の在日朝鮮人たちからの聞き取りを重ね、渡日、原爆被害、戦後の民族運動の高揚と民族運動に対する弾圧、朝鮮総連結成(1955年)以後の朝鮮人被爆者の生活、朝鮮人被爆者協議会の創立、現在の課題といった在日朝鮮人被爆者のライフ・ヒストリーを記録した。このような聞き取りと平行して李実根氏の自伝『プライド 共生への道』(汐文社、2006)の韓国語訳を進め、全訳がほぼ完成しつつある。 第四に、広島県・山口県における朝鮮総連・韓国民団の歴史と現在の諸活動について調査し、特にそれぞれの団体で活動する女性たちのライフ・ヒストリーを重視して、聞き取りを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度開始当時の研究計画に基づいて、おおむね順調に研究を実施することができた。が李実根氏の自伝については、ほぼ全訳が完成したものの、推敲作業に時間がかかり、初期の目標通り2014年度内に韓国で出版するには至らなかった。また、年度開始当時、広島の被爆朝鮮人問題に関する資料集と解題を韓国で出版することをも目指していたが、資料が膨大であるため、中間報告を日本で発表するに留まった。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は被爆70周年の年にあたり、梁東淑氏の日本における研究にとっては最終年度にあたる。よって本年度の研究は次のように推進する。 ①これまでに実施した被爆朝鮮人・在日朝鮮人女性に関する聞き取りのフォローアップ調査を行い、それらの記録を文章化し、発表する。 ②日本の、また国際的な原水爆禁止運動・原爆被爆者援護法をはじめとする核被害者補償運動に関する調査を進め、それらの歴史の中に在日朝鮮人被爆者運動を位置づけ、在日朝鮮人被爆者がそのなかで果たした役割を考察する。
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Research Products
(1 results)