2013 Fiscal Year Annual Research Report
原子炉ニュートリノによるニュートリノ振動パラメータの精密測定
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13F03320
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末包 文彦 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JUNQUEIRA DE CASTRO Bezerra Thiago 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / Double Chooz / 混合角 / 質量 / θ13 / 原子炉 / Global解析 |
Research Abstract |
本科研費は、学振外国人特別研究員のThiago氏の研究活動に対するものである. 以下はThiago氏の研究実績である. 本研究の目的は、フランスで遂行中の原子炉ニュートリノ振動実験Double Choozに2台目のニュートリノ検出器を設置し、ニュートリノ振動角θ_<13>の測定精度を飛躍的に高めることである. 本年度は、2台目のニュートリノ検出器の建設を行った. Thiago君は、秋にフランスのChooz原子力発電所の実験場に約2ヶ月滞在し、東北大が担当している、光電子増倍管の設置作業を中心となって行った. その結果、330本の光電子増倍管の設置を無事終えることができた. 設置された光電子増倍管は、全て正常に動作することが確認され、ニュートリノ検出器建設の重要なステップの一つを完了することができた. 新しい検出器では、宇宙線バックグラウンドの頻度が数倍増えるため、トリガーを改良しなければならない. この新しいトリガーのためのエレクトロニクスの検討を行った. θ_<13>の測定精度改良とΔm^2_<13>の測定に関するする博士論文が東北大学の総長賞を授賞し、東北大学からSpringerに推薦され、Springer Thesisとして出版されることになった. JSPSが実施するサイエンス・ダイアログプログラムで、2014年2月4日に青森県の三本木高等学校で本研究の紹介を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した本年度の研究実施計画では、秋に光電子増倍管の設置作業を行うというものであった. 「研究実績の概要」に示したように、光電子増倍管の設置作業を順調に行うことができた. また博士論文が総長賞を授賞し、Springerから出版されることが決定されるなど予想外の成果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は2台目のニュートリノ検出器の建設を完成し、検出器2台でθ_13の高精度測定を行う. そのため2台の検出器からのデータの相関性を考慮に入れながら組み合わせる解析方法を開発し、解析を行う. 研究遂行上の問題点は、JSPSの外国人特別研究員は、2年間で3ヶ月しか海外に行けないため、本研究のように実験場が海外の場合、装置建設作業への参加、解析のための会議への出席などの研究活動が制限されることである. 光電子増倍管設置作業のためにすでに2ヶ月海外に滞在したため、今後は国内で解析中心に研究を行って行く.
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