2013 Fiscal Year Annual Research Report
TL,OSL,ESRによる百万年までのテフラの年代測定の比較的手法による確立
Project/Area Number |
13F03325
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
豊田 新 岡山理科大学, 理学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MD RABIUL HAQUE Biswas 岡山理科大学, 理学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 電子スピン共鳴 / 光刺激ルミネッセンス / 年代測定 / テフラ |
Research Abstract |
光刺激ルミネッセンス(OSL)年代測定法、熱ルミネッセンス(TL)年代測定法及びESR年代測定法の3つはいずれも、鉱物の結晶に蓄積された捕獲電子の量を物理的な測定によって測定することによって自然放射線による被曝線量を求め、年間の自然放射線量(年間線量率)で割ることによって年代を求める点で共通している。本研究では、ESRが測定している実体が何であるかを同定することができることを利用して、これら年代測定に使用している信号の相互の関連を明らかにすることにより、手法の物理的基礎を確立すると共に、postIR-IRSLという手法を発展させ、日本のテフラについて200ka-1MaのOSL年代が得られるようにし、また、ESR年代測定の信頼性向上を図ることを目的とする。 日本のテフラの年代測定の現状について文献調査を行い、これまでの経緯から年代が文献地と一致して求めやすいと考えられる若いテフラを選定した。九州南部において、10-20ka程度の5試料のテフラの採取を行った。そして、これらのテフラから石英を抽出し、測定試料を準備した。ESR測定を本学において、OSL測定を奈良女子大学の測定装置を用いて行った。 ESR測定によるAl中心(石英中の珪素がアルミニウムに置き換わって不対電子を捕獲したもの)を用いて求めた自然放射線による被曝線量とOSL測定によって求めた被曝線量がほぼ一致したが、Ti―Li中心(石英中の珪素がチタンに置き換わって不対電子及びリチウムイオンを捕獲したもの)から求めた値は有意に20%程度大きな値となった。 本学の戦略的研究基盤形成支援事業において製作を予定しているOSL測定装置の設計、部品の選定などの打ち合わせを行った。特に、発光の検出に用いる光電子増倍管の特性を検討し、選定を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究手法に慣れ、ESR測定を本学で、OSL測定を装置を借用して奈良女子大学で行い、南九州のテフラについて測定が終了し、議論を行う段階になっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本学でOSL測定が行えるように設備を整え、数多くの試料について研究が遂行できるようにする。ESR測定結果との比較を行う。放射性炭素年代の得られている20kaまでの試料を5試料程度測定して、測定条件を確認、また改善し、その上で200kaまでの年代既知試料を5試料程度、そして1Ma程度の年代がフィッション・トラック法、K-Ar法などで得られているテフラに取り組む。
|
Research Products
(1 results)