2015 Fiscal Year Annual Research Report
有機太陽電池への展開を目指した電子受容性分子と分子集合体の構築
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13F03334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 栄一 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00134809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAN QIFAN 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フェニレンビニレン / π電子共役 / 光物性 / 有機太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
三次元的に広がった分子構造を持つCOPV誘導体を設計し,その合成法の開拓と太陽電池への応用を行った.当初,研究題目に示した電子受容性COPV誘導体の合成と応用を目指したが,めざましい成果が得られなかったために,電子供与性アミノ置換誘導体の合成へと方針を変更した.得られたアミノ置換COPV誘導体を用いて,中性分子の紫外可視吸収スペクトルおよび電気化学測定を行うとともに,酸化によって形成したラジカルカチオン状態のESR測定を行い,太陽電池に資する材料としての特性を評価した.その結果,荷電状態(カチオン・アニオン)形成の際の再配列エネルギーが小さく,架橋炭素を介するホモ共役の効果によって分子全体にスピンが非局在化したラジカルカチオン状態を形成することを見出した.また理論計算により,ラジカルカチオン状態での電荷の非局在化によって側鎖とCOPV間の距離が近くなることを見出した.このよう効果によって,得られたCOPV誘導体は固体中で分子集合状態を形成し,三次元的に非局在化した電荷が隣接する分子との軌道間相互作用を介してホッピングすることで,優れた電荷輸送特性を発現するものと考えられる. 実際,アミノ置換スピロCOPV誘導体はp型の正孔輸送材料として機能し,ペロブスカイト型太陽電池の高効率化に寄与し,20 mA/cm2に迫る短絡電流,0.9 V以上の開放電圧,0.66-0.73という高い曲線因子を示し,光電変換効率がそれぞれ12.3%,12.0%という高い値を達成した.なお,本成果に関する論文を現在執筆中であり,特許も出願予定である.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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