2013 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学とマイクロゲルビーズの融合による血管化複合肝組織の構築
Project/Area Number |
13F03350
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須藤 亮 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AJOUDANIAN Mohammad 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロゲルビーズ |
Research Abstract |
本研究は、細胞スケールでコラーゲンゲルビーズを作成し、肝臓組織工学の研究と融合することで、毛細血管網を含む三次元複合肝組織を構築することを目的としている。すなわち、細胞スケールのマイクロゲルビーズを作成し、細胞と混合してマイクロ流体デバイスに注入することによってゲルビーズが三次元組織内部において血管形成のためのスペーサーとして働き、複合三次元組織を形成させるために重要な役割をもつと考えられる。そこで、H25年度は肝細胞の培養を行う上で必要となるマイクロゲルビーズの作成を中心に進めた。具体的には、マイクロ流体デバイスを用いたコラーゲンゲルマイクロビーズの作成法とインクジェットノズルを用いたゲルビーズの作成法を検討した。マイクロ流体デバイスを用いた作成法ではマイクロ流路内部で所望のサイズの液滴ができることがわかったが、液滴形成後にマイクロ流路の内壁に接着することで、ビーズとして回収することが困難であることがわかった。この課題を解消するためには、マイクロ流路表面の状態(疎水性、親水性)が作成したゲルビーズの保持において重要な環境条件であることがわかった。一方、インクジェットノズルを用いた作成法では、ゲル化する前のコラーゲン溶液を所望のサイズで液滴にすることが可能であることまでは確認できたが、その後ゲル化させる段階でマイクロゲルビーズの形状を保持することに課題があることがわかった。この課題を解消するためには、マイクロゲルビーズを回収する溶液に界面活性剤などを添加して条件を最適化して検討する必要があることがわかった。これらの条件を明らかにし、所望のマイクロゲルビーズを作成することができるようになることが、次の段階の細胞と混合する実験を実現するうえできわめて重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H25年度に予定していたマイクロゲルビーズの作成が計画通りに進まず、実験条件の最適化や代替案も含めて検討しているから。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロゲルビーズの作成について当初予定していた方法に問題があり、工夫する必要があることがH25年度の研究によって明らかになった。そこで、代替案も含めて3つのアプローチでマイクロゲルビーズを作成することを検討している。
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