2014 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学とマイクロゲルビーズの融合による血管化複合肝組織の構築
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13F03350
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須藤 亮 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20407141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AJOUDANIAN Mohammad 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロゲルビーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、細胞スケールでコラーゲンゲルビーズを作成し、肝臓組織工学の研究と融合することで、毛細血管網を含む三次元複合肝組織を構築することを目的としている。すなわち、細胞スケールのマイクロゲルビーズを作成し、細胞と混合してマイクロ流体デバイスに注入することによってゲルビーズが三次元組織内部において血管形成のためのスペーサーとして働き、複合三次元組織を形成させるために重要な役割をもつと考えられる。当該研究課題の実現のために、平成26年度は平成25年度の研究成果も踏まえ、引き続きマイクロゲルビーズの作成条件を検討すると同時に、マイクロ流体デバイスを用いた細胞培養実験への応用も始めた。具体的には、マイクロゲルビーズの作成および細胞培養に関して以下の研究成果を得た。 マイクロゲルビーズの作成法に関しては、①マイクロ流体デバイスを用いた方法、②インクジェットノズルを用いた方法、③エマルジョンを利用した方法、の3つの手法を並行して検討した。その結果、③の手法において所望の大きさである細胞スケールのマイクロゲルビーズを作成することに成功した。さらに、より効率的にビーズを作成するための実験パラメータを明らかにした。一方、細胞培養実験に関しては、マイクロ流体デバイスの作製、肝細胞の初代培養、および血管内皮細胞の培養を行った。特に、本研究において作成に成功したマイクロゲルビーズが、肝細胞および血管内皮細胞の培養に用いることができるかどうか検討し、培養中におけるゲルビーズの安定性、細胞毒性および細胞接着の観点から、本研究で目的としている肝臓組織工学の研究に十分利用しうることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度の研究成果によって、本研究において最も重要な位置づけとなるマイクロゲルビーズの作成に成功し、細胞と混合した培養も始めることができているため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果によってマイクロゲルビーズの作成に成功し、細胞培養にも利用可能であることを確認している。そのため、今後の研究では、肝細胞および血管内皮細胞と混合しマイクロ流体デバイスでの組織形成に応用していく計画である。
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