2013 Fiscal Year Annual Research Report
多重強秩序を示す溶質元素添加ビスマス鉄酸化物の第一原理計算と材料設計
Project/Area Number |
13F03370
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 功 京都大学, 工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAWSON James A. 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | マルチフェロイック / ペロブスカイト / 第一原理計算 / 点欠陥 |
Research Abstract |
本研究は, マルチフェロイック(多重強秩序)物質であるビスマスフェライトへの希土類や遷移金属元素のドーピング効果を, とくに誘電率および強誘電性, さらに磁気構造に及ぼす効果について注目し, 理論計算に基づいて無限希薄領域から固溶体領域までを系統的に調査するものである. このような情報は, 合成実験を行う研究者のドーパント選択指針において, 極めて重要である. BiFeO3における点欠陥を, これまで報告のない複空孔を含めて詳細に検討し, 次に希土類ドープ系について, その熱力学的安定性の議論と, 結晶構造・強誘電特性・磁気構造に与える影響を詳細に調査した. さらにペロブスカイト構造のBサイトにMn, V, Niなどの遷移金属元素を置換固溶させたときの影響を同様に調査した. BiFeO3中に内在する点欠陥に関するエネルギー諸値や, 点欠陥の存在が磁気構造に与える影響を知るために, 原子間ポテンシャル法による静力学計算ならびに平面波基底PAW法による系統的な第一原理計算を実施した, またFeの価数変化が, 電気伝導度に影響を与えるという仮説のもとで, 欠陥の存在による価数変化について, 第一原理計算により系統的に解明した. これらBiFeO3の結果を解釈するために, これらの計算と並行して, 類似の構造を持つSrTiO3およびBaTiO3についての同様の計算を実施した, これらの物質については, 実験結果も多く, 計算結果と実験との対応が, 検討しやすい.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原子間ポテンシャル法による静力学計算ならびに平面波基底PAW法による系統的な第一原理計算を実施し、点欠陥の存在が磁気構造に与える影響を解明するなど、予定した内容が概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進んでおり、計画通り第一原理計算を多数実施し、BiFeO3のLaドーピングによる構造と強誘電性への効果を解明する。
|
Research Products
(2 results)