2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03372
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田部 勢津久 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SONTAKKE Atul D. 京都大学, 人間・環境学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ランタニド / 波長変換 / 蛍光 / ガラス / イッテルビウム |
Research Abstract |
本研究では, 固体中のランタニドイオン間のエネルギー移動による量子切断現象 : 太陽光スペクトルのピーク(~500nm)より短波長成分の光子を90%以上吸収し, 2つに「カットする」ことによって, 発電最適波長1μmで発光する材料の開発を目指す. すなわち短波長励起光を200%の量子効率で近赤外光子に変換する材料について, その波長変換機構の解明を行うと同時に, 材料組成と希土類濃度の最適化、およびシリコン系太陽電池の高効率化への応用展開を計る. Ce-Yb系量子切断は, これまでにない高い吸収係数で, 広い波長域の短波長光を吸収し, 長波長光へ変換するものであり, 新しい量子切断現象の発現系として, その波長変換機構と効率の支配因子の解明を目指す. 初年度はCe-Ybを共添加したボレートガラスをホストとし, 波長変換特性の調査を行った. ガラス組成は, La_2O_3を高含有でき, 高屈折率で希土類イオンの電子遷移で高い輻射断面積を実現し得るホウ酸塩を主成分とし, 化学的耐久性も考慮して, ホスト組成として, 20CaO-10Al_2O_3-(14.5-x)La_2O_3-55B_2O_3-0.5(2CeO_2/2CeE_3)-xYb_2O_3とした. 材料の化学的, 機械的組成がランタニド置換量によって変化しない様, La+Ce+Ybの合計モル分率が15%になる様に設定した. Ce原料をCeO_2またはCeF_3として溶融雰囲気を変えて作製した. ガラス中のCe^<3+>イオンは紫外光励起により, 450nmをピークとする青色発光を示し, その強度はCeF_3を原料とし, 還元雰囲気化溶融した時に上昇した. 大気溶融では薄茶色に着色しCe^<4+>/Ce^<3+>の共存による電荷移動吸収に帰属された. Yb^<3+>イオンの共添加により, 青色発光強度と蛍光寿命は減少し, Yb^<3+>イオンによる1μm発光が観測された. これはCe^<3+>→Yb^<3+>のエネルギー移動の結果である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
太陽電池のカバー材となり得るガラスホストでランタニドイオンのエネルギー増感と発光特性を調査した. 研究成果は2014年3月に日本セラミックス協会年会(慶應大学日吉キャンパス)で博士研究員A. Sontakkeにより"Sensitized infrared luminescence in Ce^<3+>-Yb^<3+>doped borate glasses"のタイトルで口頭発表を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度作製したCe-Yb共添加ホウ酸塩ガラスについて, 積分球による全放射束測定と発光量子効率の評価を行う. また他の系についても試料を作製し, 量子切断発現について検討を行う.
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Research Products
(1 results)