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2014 Fiscal Year Annual Research Report

昆虫における効率的な遺伝子ノックインシステムの構築

Research Project

Project/Area Number 13F03387
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

日下部 宜宏  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30253595)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) ZHU Li  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords遺伝子ターゲティング / 遺伝子ノックイン / HR / NHEJ
Outline of Annual Research Achievements

簡便に染色体上の特定部位を思い通りに改変する遺伝子ターゲティングは、究極の遺伝子操作技術であると考えられているが、その効率は極めて低かった。しかし、近年のZFNやTALENの画期的な技術革新により、染色体の任意の配列を切断し、ここに不正確なDNA修復を誘導することにより遺伝子を破壊することが可能となった。この技術の利用した遺伝子ターゲティングを効率的に誘導するためには、DNA切断後、相同組換え(HR)修復と二者択一的に機能しているNHEJを抑制し、HRを誘導する必要がある。そこでまず、カイコNHEJ関連因子の内、RNAiによるスクリーニングで効果が認められたKu70、Ku80、BmLIGIV、XLF、XRCC4遺伝子についてノックアウト細胞の樹立を試みた。まず、これまでのTALENに変えて、構築の簡便なCRISPERの導入を行い、各遺伝子内を2カ所以上切断する複数のCRISPERを用いて、ノックアウトを行った。樹立細胞のゲノムDNAに対してT7ヌクレアーゼを用いた変異検出解析を行ったところ、いずれの細胞においても変異の導入を確認できた。次いで、樹立したノックアウト細胞を用いて、small RNA関連因子であるTUDOR-SNを標的とした遺伝子ターゲティングを行った。TUDOR-SNに対する3種のCRISPERと同時にHRの鋳型となるDNAを導入したところ、鋳型の両端に付加したTUDOR-SN相同配列とカイコゲノム間で、遺伝子ターゲティングが誘導され、TUDOR-SN遺伝子内にGFP遺伝子を挿入(遺伝子ノックイン)することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本年度、Ku70、Ku80、BmLIGIV、XLF、XRCC4などのNHEJ関連遺伝子についてノックアウト細胞を樹立することができた。当初は、最終目標でる効率的な遺伝子ノックインを達成するために、HR修復と二者択一的に機能しているNHEJを化学薬剤を用いて抑制する計画であった。これは、TALENを用いた複数の遺伝子のノックアウトが困難であったためで、構築の簡便なCRISPERの導入を行うことでこの問題を解決できた。その結果、4つの遺伝子についてノックアウト細胞を樹立することができたことは大きな成果である。
また、TUDOR-SNを標的とした遺伝子ターゲティングについても、GFPを指標とした判断であり、より詳細な解析が必要であるが、遺伝子ノックインが起こることを証明できた。

Strategy for Future Research Activity

H26年度の研究を継続して行うが、特に、Ku70、Ku80、BmLIGIV、XLF、XRCC4遺伝子ノックアウト細胞について、複数の標的遺伝子座の各遺伝子がどのような形態で破壊されているのか、また、その破壊様式にノックアウト細胞間で相違が認められるのかについて詳細に配列解析を行う。
また、今回遺伝子ノックインを検出できたTUDOR-SNを標的とした遺伝子ターゲティングシステムについては、ノックイン効率は高くなかった。そのため、その効率を上げるために、HRの鋳型となるDNAの改良、他のNHEJ因子遺伝子の多重機能阻害効果の検証、そして、CRISPERでの切断効率を向上するためCas9ヌクレアーゼへの機能亢進型変異の導入を試み、ノックイン効率に与える影響を解析する。

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Published: 2016-06-01  

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