2014 Fiscal Year Annual Research Report
成体神経幹細胞の静止期-増殖期-分化を制御するエピジェネティックメカニズムの解明
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13F03400
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 欽一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80302892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SOLDATI Chiara 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / 休止期状態 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、神経幹細胞の存在が成体脳においても証明され、それを利用した損傷や精神神経疾患に対する治療法の開発が着目されています。そのため神経幹細胞の増殖・分化制御機構の解明は非常に重要だと考えられます。神経幹細胞は成体脳において、枯渇することを防ぐ、あるいは適当量の新生細胞を供給するため、多くはほとんど分裂を行わない休止状態で存在しています。そこで、神経幹細胞利用のための第一歩として、成体神経幹細胞の休止状態の維持・離脱がどのように制御されているのか、この問題を受入研究者らが長年取り組み、全ての遺伝子発現制御に関わる「エピジェネティクス」の観点から解明しようと計画しました。本研究ではまず、成体マウス海馬から神経幹細胞を単離する系を確立しました。さらに、他の論文で報告されていた、bFGF存在下にBMP2を添加することにより神経幹細胞を休止期状態に維持できることを確認しました。また、この休止期状態の神経幹細胞培養系からBMP2を除去することにより再び神経幹細胞が増殖を開始することも検証しました。加えて、より生体内に近い低酸素条件下では、BMP2のみでは完全には増殖を停止させることはできないが、TGF-bを添加することでそれが可能になることを明らかにしました。特にTGF-bを加えることで休止期状態を誘導した神経幹細胞は、BMP2単独の場合とくらべてニューロンへの分化効率が高いことも分かりました。それらの神経幹細胞の挙動の違いには、転写抑制因子HES1の発現が影響する可能性も突き止めました。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)