2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03403
|
Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
富永 真琴 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90260041)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM Md. Rafiqul 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | マキシアニオンチャネル / アネキシン / マイクロアレイ / プロテオミクス / パッチクランプ / 遺伝子サイレンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
マキシアニオンチャネルは多くの動物細胞種に発現していて、細胞間シグナル分子であるATPやグルタミン酸の細胞からの放出の通路を与え、プリン作動性レセプターやグルタミン酸作動性レセプターを介して心臓や腎臓や脳における細胞間シグナリングに関与する重要分子であることが判っているが、その分子実体は未同定であった。本研究では、この分子同定を行うことにより、ATPやグルタミン酸による細胞シグナリングが関与する多種の生理的および病態生理的機能の解明のための、ターゲット分子を手にすることを目的とする。マキシアニオンチャネル機能発現度の異なる4 種のマウス由来の細胞(乳腺線維芽C127、線維肉腫L929、黒色腫B16-4A5、神経芽腫C-1300)間でのゲノムワイドマイクロアレイ解析結果と、マキシアニオンチャネルを機能的に高発現する細胞ブレッブ膜蛋白質プロテオミクス法の結果、これら両第一次候補分子群でオーバーラップする26遺伝子を第二次候補として、平成25年度に選択した。平成26年度は、まずこれらの中で膜蛋白質関連遺伝子と考えられる22遺伝子を、第三次候補分子として選択した。そして、これらのなかで集団を形成している7つのアネキシンファミリーメンバー(Anxa1、Anxa2、Anxa3、Anxa4、Anxa5、Anxa6、Anxa11)に対して一つ一つsiRNAジーンサイレンシング法を適用し、パッチクランプ法によって測定されたマキシアニオンチャネル電流の抑制を再現性よく示すものとして、アネキシンA2(Anxa2)を同定した。しかし、マキシアニオンチャネル機能欠失C1300細胞に、Anxa2を強制発現してもマキシアニオンチャネル活性を回復させることはできなかった。それゆえ、アネキシンA2はマキシアニオンチャネル分子そのものではなく、そのレギュレータであることが結論された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多数の第一および第二候補遺伝子群から、第三次候補分子として22遺伝子を選択し、その中から7遺伝子を排除して、残る15遺伝子を第四次候補遺伝子として選抜することができた。さらに、これらの過程で、アネキシンA2を新たにマキシアニオンチャネルのレギュレータ分子として同定するという副産物的成果を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、残された15の第四次候補遺伝子のサイレンシングのマキシアニオンチャネル活性への影響を、パッチクランプ法によって1つ1つ調べていき、最終候補遺伝子へと迫っていく作業を行っていく。
|
Research Products
(2 results)