2013 Fiscal Year Annual Research Report
GPCRの短寿命ダイマーによる細胞内シグナルの制御:1分子イメジングによる解明
Project/Area Number |
13F03404
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楠見 明弘 京都大学, 物質―細胞統合システム拠点, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHOU Peng 京都大学, 物質―細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
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Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / GPCR / ホモダイマー / ヘテロダイマー / 足場分子複合体 / シグナル / 1分子追跡 |
Research Abstract |
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の2量体と下流のシグナル分岐機構は、ほとんど分かっていない。最近の我々の研究によって、この分岐機構についての2つの作業仮説が得られた。これを、GPCRに属する3つの型のopioidreceptor (OR ; μ、δ、κ型)、下流シグナル分子(3量体Gタンパク質、GPCRキナーゼ)、及び、ドック(足場)分子複合体(後述)を用いて調べる。2つの仮説は以下の通りである。 (1)GPCRのモノマーとホモダイマーが、下流シグナルの選択に関与する。 (2)細胞膜内の4種の分子複合体・膜ドメイン(アレスチンドック、EBP50ドック、カベオラドック、ラフトドック)のうち、どれに受容体が取り込まれるかで、下流の選択と、異なった下流シグナルの相対的な強度が決まる。この4種のドックはシグナル変換場であり、下流が異なるというだけでなく、そこでシグナル分子との結合速度、下流分子の活性化レベルなどが、単に受容体と下流シグナル分子の相互作用でなく、ドックの性質と、足場タンパク質との相互作用によって決まる。 本年度は、我々が世界をリードする1分子追跡法を用いて、以下を明らかにした。 (1)顕微鏡の改善を行い、2ミリ秒の時間分解能で、ORの2量体化が観察できるようにした。 (2)3種のOR間での、ホモダイマー、及びヘテロダイマーの形成を時間分解能を変えた1分子追跡法を用いて調べた。全ての型はホモダイマーを形成するが、ヘテロダイマーの形成は、起こりにくいか、起こっても寿命が短かった。これにっいては、さらなる検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感度よく、高い時間分解能でORの2量体化を検出するための顕微鏡の改善がうまく進んだ。そのため、3種の(OR)、間での、ホモダイマー、及び、ヘテロダイマーの形成を非常に精度よく検出できるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘテロダイマーの形は、起こりにくいか、起こっても寿命が短かいという、文献からは予想できなかったことが見いだされた。そこで、これについては、さらなる検討を進める。さらに、アゴニスト、アンタゴニスト、インバースアゴニストの添加によって、2量体形成がどのように変化するかを調べる。ORが4種のドック、アレスチンドック、EBP50ドック、カベオラドック、ラフトドックのどれにはいるかの解明を進める。
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Research Products
(3 results)