2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13F03405
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
KIM Minsoo 東京大学, 医科学研究所, 特任准教授 (50466835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE Jihye 東京大学, 医科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 病原細菌感染 / 炎症 / エフェクター |
Outline of Annual Research Achievements |
赤痢菌を始めとする粘膜病原細菌が引き起こす下痢疾患は、開発途上国を中心に毎年多くの人命が失われている。感染を成立のために赤痢菌は、III型分泌装置と呼ばれるタンパク質分泌装置から病原因子(エフェクター)を宿主細胞へ分泌する。これらのエフェクターは宿主細胞のアクチン細胞骨格や免疫応答などを制御し、感染成立に重要な役割をしていることが明らかになった。しかし、これらのエフェクターの多くが未だに機能が不明である。従って、新たなエフェクターの機能解析は赤痢菌の感染成立メカニズム解析及び治療薬を開発するために重要である。我々は新たに同定した赤痢菌の新規エフェクターであるOspH、OspJが感染時に特に免疫系を中心として宿主側への影響とその機構の解明を目指している。 OspJ, OspHの欠損株をマウス肺に感染させた結果から各エフェクターは赤痢菌感染に対する免疫反応に関わっていると示唆される。これらのエフェクターのターゲット細胞を調べるために個々欠損株を免疫細胞または上皮細胞感染させ、感染応答を調べた結果、上皮細胞(HeLa細胞)をターゲットとすることを明らかにした。HeLa細胞にOspH欠損株を感染させた後にIL-6とIL-8の産生量調べた結果、感染6時間後にはOspH欠損株で産生量が増加していることがin vitroでも確認できた。これらの結果からOspHは感染時に炎症を抑える方向へ働いている可能性が考えられる。さらにプロテインアレイ法を用いて、これらの新規エフェクターの宿主結合蛋白質を調べた。候補蛋白質を得て、現在解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス肺感染モデルを用いて、新規エフェクターが感染免疫応答を抑える方向に働くことを明らかにしたさらに、新規エフェクターと結合するターゲット分子を見つけることができた。現在は新規エフェクターとターゲット分子の詳細な結合部位やその結合がどういうメカニズムで免疫反応を制御するのかを調べているので、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
同定されたOspHと結合するタンパクは細胞内輸送に関わると言われている分子であるため、OspH欠損株の感染後の免疫反応の変化が細胞内輸送の変化によるものかを確認する。エフェクターの過剰発現系、同定した標的宿主分子をsiRNA法によりノックダウン系、エフェクターの欠損株および野生株の感染系などを用いて細胞内輸送のシグナル経路の異常を調べる。
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Research Products
(7 results)