2013 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋内胚細胞腫瘍生存例における放射線誘発認知機能障害:MR機能画像による病態解明
Project/Area Number |
13F03410
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神宮 啓一 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI L 東北大学, 大学院医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 頭蓋内胚細胞腫瘍 / 放射線治療 / 認知機能障害 / T2*強調像 / MR灌流画像 / 拡散テンソル画像 / MRスペクトロスコピー |
Research Abstract |
研究1 : 頭蓋内胚細胞腫瘍放射線治療後10年以上経過した長期生存例を対象に、晩期認知機能障害の有無、程度とMRI形態・機能的画像所見との関連性を検討する。 1.2013年10月に、研究の目的や検査の安全性について、東北大学病院倫理委員会に申請し、許可を得た。 2. 症例登録。1983年から2001年までに当院脳神経外科にて診断・治療された頭蓋内胚細胞腫患者を全例登録する。そのうち、以下の基準を満たす対象となる症例は33例である。(a)全症例で頭蓋内放射線治療が施行され、(b)初回治療時の年齢が15歳以下(小児期)、(c)最後の頭蓋内放射線治療終了時点から10年以上経過。 3.33症例はカルテの情報に基づいて全脳照射群(19症例)と全脳室照射群(14症例)に分けた。 4.2013年11月より、MRI機能的画像データ(脳血流量、拡散異方性、神経細胞密度の指標の変化を明らかにするもの)、認知機能テストデータ(WAIS-R)の収集を開始した。個々の患者さんで継続中の外来での診察、MRI形態画像での定期的フォローアップにあわせて、説明を行い、本研究の検査スケジュールを組むこととなる。2014年3月までで7症例のMRI機能的画像データ、認知機能テストデータを収集した。 5. 先行研究で収集したT2*強調画像データ(微小循環障害を反映するもの)の解析をおこない、論文作成中である。 研究2 : 頭蓋内胚細胞腫瘍放射線治療直後から6ヶ月との間に、認知機能障害の有無、程度とMRI形態・機能的画像所見との関連性を検討する。 1. 新患登録。2013年12月より当院脳神経外科にて頭蓋内胚細胞腫瘍と診断、治療される患者を対象とする。 2. 治療前、放射線治療後のMRI機能的画像データの収集を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究1.2に関して、東北大病院倫理委員会に提出、承認を得た。研究1では データ収集、解析がはじまり、現在7症例が蓄積され、予定数の約1/4が終了している。研究2では 予定通り、収集がはじまった。 以上から、おおむね順調に進展していると判断された。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 患者症例の登録、MRI機能画像データの収集、認知機能テストデータの収集は継続する。 2. 患者群15例程度のデータが蓄積されると、それらのデータを用いた第一次データ解析をおこなう。 3. 明らかにしたいこと : 頭蓋内放射線照射後に、脳微小循環、脳血流量、拡散異方性、神経細胞密度の変化と、認知機能障害の程度との関連性、および放射線照射の総線量や照射野の範囲と、認知機能障害の程度との関連性。
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Research Products
(4 results)