2015 Fiscal Year Annual Research Report
合成化学医療の開発:動物内での標的細胞、および臓器上での生理活性ペプチド合成
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13F03504
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 克典 国立研究開発法人理化学研究所, 田中生体機能合成化学研究室, 准主任研究員 (00403098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VONG KENWARD 国立研究開発法人理化学研究所, 田中生体機能合成化学研究室, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体アミン / 生体内合成化学治療 / 糖鎖クラスター / 遷移金属触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
報告者はこれまでに、動物内でも実施することのできる有機合成反応として、ある種のエステルが、生体アミンのうち、特定の疾患で過剰に発現する特殊なアミンだけが無触媒で選択的に反応することを見出した。そこで平成27年度では、見出したエステルを細胞に導入することにより、特定のアミン選択的に修飾反応を行い、特定の細胞機能を制御することを目指した。その結果、エステルを細胞に作用するだけで細胞内の標的アミンと選択的に反応させ、細胞増殖を優位に抑制することに成功した。 さらに報告者は、このエステルは生体内アミンの他にも、立体障害の少ない疎水性アミンと水中で効率的かつ選択的に反応することを見出した。塩基を必要としない温和な条件下での反応を発見した。このユニークな反応の機構を解析すると同時に、新規なペプチド合成法へと展開した。 一方、平成26年度までに報告者は、生体テンプレート上に糖鎖クラスターを構築し、これら高分子の生体内動態や臓器選択的な集積が、付加した糖鎖に顕著に依存することを見出していた。糖鎖の構造に従って、肝臓や脾臓、あるいはがんに集積する。そこで、この糖鎖クラスターを特定の臓器(細胞)を認識するドラッグデリバリーシステムとして活用し、マウス内の特定の臓器周辺で合成研究を行うことを試みた。報告者が以前に見出したパラジウムやルテニウムを代表とする遷移金属触媒の存在下でのエステルの反応性を利用することにより、目的とする臓器上での蛍光標識化を実現した。生きている動物内で初めて遷移金属触媒反応を初めて実現した例となった。このように、「生体内合成化学治療」研究におけるブレークスルーとなる成果を得た。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)