2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13F03509
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
徐 強 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 上級主任研究員 (50357232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHU Qilong 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水素 / 水素貯蔵 / エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
来る水素エネルギー社会を支えるキーテクノロジーとして、高効率水素貯蔵技術の確立が求められている。これまで報告されている化学的水素貯蔵材料は水素放出温度が高い上、燃料電池電極触媒の被毒成分となるアンモニア等の発生が問題となっている。そのために、水素含有量が高く、温和な条件下で水素放出が可能で且つ燃料電池電極触媒の被毒成分を副生しない化学的水素貯蔵材料の開発が求められている。本研究では、ホウ素-窒素系化学水素化物を有望な化学的水素貯蔵材料として取り上げ、ホウ素-窒素系化学水素化物の常温での選択的脱水素化・水素発生触媒を開発し、高性能水素貯蔵材料・技術の確立を目的としている。多孔質炭素MSC-30を担体として用いて、水酸化ナトリウムNaOHの共存条件下でNaBH4を用いて、前駆体金属塩を還元することにより、多孔質炭素に高分散担持した白金とニッケル(PtNi)の合金ナノ粒子触媒NtPt@MSC-30を合成した。本NtPt@MSC-30触媒は、ホウ素-窒素系水素貯蔵材料であるヒドラジンボランの選択的脱水素化・水素発生反応に高い触媒活性を示すことを明らかにした。触媒活性及び水素生成選択性は白金とニッケルに大きく依存することを明らかにした。Ni0.6Pt0.4/MSC-30は室温において、BH3基の加水分解、N2H4基の完全分解反応に高い触媒活性を示し、100%の水素選択率で水素放出させた。TEM観察により、NaOHの共存条件下で合成したNi0.6Pt0.4ナノ粒子の平均粒径は約2.1 nmであるのに対し、NaOHが共存しない条件下で合成したNi0.6Pt0.4ナノ粒子の平均粒径は約4.2 nmであることがわかり、合成条件がナノ粒子の粒子径及び触媒活性に影響を与えることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究計画に沿って実験・研究を行った結果、高い水素含有量を持つヒドラジンボランの触媒による脱水素化反応において、多孔質炭素に担持した白金とニッケルの複合金属触媒は、高い触媒活性及び水素生成選択性を示すことが明らかになった。研究計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も、研究計画に沿って実験・研究を行い、温和な条件下において高い水素含有量を持つヒドラジンボランの触媒による脱水素化反応における不均一系高活性触媒開発を行う予定である。特に、各種合金ナノ粒子について詳細な検討を行う。研究計画を変更することなく、当初計画に沿った実験・研究を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)