2014 Fiscal Year Annual Research Report
小分子化合物を用いた生殖系がん細胞におけるNF-κBとSTAT3の機能解析
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13F03512
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長田 裕之 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 副センター長 (80160836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RASUL Azhar 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | がん / 阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホルモン受容体陰性かつHER2過剰発現のないトリプルネガティブの乳がんは、乳がん全体の10~20%を占め、悪性度が高く治療選択肢が限定されているため、新たな治療の開発が望まれている。本年度は、トリプルネガティブ乳がん細胞の一つであるMDA-MB231細胞に対する抗がん性小分子化合物を取得する目的で、セルベーススクリーニングとターゲットベーススクリーニングを実施した。 MDA-MB231細胞の増殖阻害活性を指標としたセルベーススクリーニングについては、理研NPDepo化合物ライブラリーおよそ2万化合物をスクリーニングし、強い増殖阻害活性を有する3化合物を見出した。受け入れ研究者らにより開発された薬剤作用解析システム(モルフォベースプロファイリング法、ケムプロテオベースプロファイリング法、光親和型化合物固定化プローブを用いた結合タンパク質のアフィニティー精製)を利用して、候補化合物の作用解析に着手した。 ターゲットベーススクリーニングについては、化合物アレイを用いてSTAT3、PKM2、PDK1タンパク質に対するリガンドスクリーニングを実施した。およそ2万5千化合物をスクリーニングした結果、STAT3では1化合物、PKM2では5化合物、PDK1では10化合物のヒットが得られた。現在、ヒット化合物の各タンパク質に対する阻害あるいは賦活活性をin vitroおよびin vivoで解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セルベーススクリーニングとターゲットベーススクリーニングの双方で複数の候補化合物を得ることができたことから、当初の計画通り研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はモルフォベースプロファイリング法やケムプロテオベースプロファイリング法、光親和型化合物固定化プローブを用いた結合タンパク質のアフィニティー精製法を駆使して、セルベーススクリーニングやターゲットベーススクリーニングで得られた候補化合物の作用機作解析を行っていく。
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