2013 Fiscal Year Annual Research Report
有毒渦鞭毛藻Dinophysisの給餌による二枚貝の毒の蓄積・変換機構の解明
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13F03517
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
長井 敏 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEILA Basti 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | Dinopysis / 二枚貝 / 脂溶性貝毒 / 毒変換 / 毒代謝 / 有毒渦鞭毛藻 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に従い、下記の2つの実験を実施した。 1. 二枚貝の下痢性貝毒の変換過程の解析(マガキ・ホタテ) : 二枚貝の下痢性貝毒原因渦鞭毛藻 Dinophysis属の給餌実験による下痢性貝毒の蓄積・変換過程の解析ということで、本年度は、D. caudataを給餌用に大量培養し、これを研究対象二枚貝であるマガキ複数個に1日2回給餌を行い、有毒藻を摂食させた。これを1週間繰り返し、給餌実験を終了した。各部位毎に、毒の組成や蓄積量について機器分析(LC-MS/MS)を用いて定量することで、毒の蓄積や変換についての知見を得る。続いて同様な給餌実験を行う中で、2日毎にマガキをサンプリングし、同様の毒分析を行うことにより、毒の蓄積速度や変換過程の詳細を明らかにする。これについては、給餌実験は成功し、現在、各部位における毒成分を分析中である。 2. 二枚貝に対する原因藻の毒性評価(マガキ) 成熟、未成熟のマガキ親個体を用いて原因藻D. caudataの暴露試験を行った。複数の密度条件下でマガキにD. caudataを添加し続け、1週間後に鰓組織、消化管、血液をサンプリングし、各組織における抗酸化活性、ストレス度(cAMP)等の程度について、各種酵素活性、核酸、血球数等の定量分析を実施する。続いて同様な暴露実験を行う中で、2日毎にマガキ個体をサンプリングし、各バイオマーカーの定量分析を行うことにより、各組織におけるストレス度、ダメージの程度を評価する。給餌実験は成功し、現在、各分析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度内に、ホタテ、マガキ等の飼育環境の整備、有毒渦鞭毛藻の二枚貝類への暴露試験の方法の整備が完了し、フルスペックで目的としていた実験ができるようになった。上記、研究実績の概要に書いたように、マガキについて、第一弾の暴露実験が終了し、現在、解析中であり、今後、統一した手法で同様の暴露実験と解析が可能であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策については、大きく変更することなく、実施する予定である。
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Research Products
(2 results)