2014 Fiscal Year Annual Research Report
埋立処分場浸出水処理のための廉価・高効率システムの研究
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13F03736
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 玉友 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30201106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE Shilong 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境技術 / 土木環境システム / 浸出水処理 / 窒素除去 / 硝化 / Anammox / 阻害 / 亜硝酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新しいユニットプロセスを浸出水処理に応用することを目指して、UASBと膜分離生物反応槽による有機物の除去、SHARONとANAMMOXによる窒素除去および促進酸化(AOT)による難分解性物質の酸化といった三つのプロセスを組み合わせることによって、埋立処分場浸出水を効率よく処理する新しい排水浄化システムを確立しようとする技術開発である。平成26年度は次のような成果が得られた。 (1)SHARONとANAMMOXの二段組合せプロセスによる窒素除去:アナッモクスの幅広い応用を促進するために、本研究ではまず約57%の部分的亜硝酸化の実現および維持方法について検討した。部分的亜硝酸化処理は完全混合型反応槽を用い、流入水のNH4+-N濃度を250mg/L、窒素負荷を0.5kgN/m3・dとし、リアクターの温度を25℃前後に設定して運転を行った。DO濃度を0.12mg/Lに制御することでNOBの活性が抑制され、リアクター内の遊離アンモニア(FA)と遊離亜硝酸(FNA)濃度がそれぞれ11.4mg/L、0.009mg/Lとなり、理想的な部分的亜硝酸化が実現され約50日間維持することができた。DO濃度により亜硝酸化率が変動し、FAとFNA濃度も変化するため、DOは亜硝酸化率を左右する重要な制御因子であることを明らかにした。 (2)単相式硝化・ANAMMOXの共生系による脱窒:アンモニウムから亜硝酸を生成する硝化反応とANAMMOX反応を一つの反応槽で行うため、反応槽内で二つの反応が共生できるように工夫し、DO濃度(0.13mg/L)と曝気量を適切に制御することでまず安定した部分的亜硝酸化を長期間維持できた。その後、曝気量を調整することで一槽式Anammox反応が実現し、88.8%の高い窒素除去率が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が目指している新しいシステムは有機物の除去、SHARONとANAMMOXによる窒素除去および促進酸化(AOT)による難分解性物質の酸化といった三つのプロセスを組み合わせることであるが、H26年度ではSHARONとANAMMOXの二段組合せプロセスによる窒素除去と単相式硝化・ANAMMOXの共生系による脱窒の二つの小テーマについて研究成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はAnammoxプロセスによる窒素除去についておおむね計画通りの成果が得られたので、平成27年度以降は、いままで得られた基礎的知見を元に、浸出水の水質特徴を踏まえ、有機物除去と窒素除去を効率よく行える融合システムを構築し、ケーススダディを行うことで、システムの応用方法を検討する。また、Anammoxプロセスの処理性能と微生物の保存についてまとめる。 (1)Anammoxプロセスの処理性能と微生物の保存に関する総括:本研究で得られた成果を文献報告と比較しつつ、Anammoxプロセス処理性能と微生物の培養や保存に関する知見を総括する。 (2)融合システムの構築及び最適化:浸出水の水質特徴を踏まえ、有機物除去と窒素除去を効率よく行える融合システムを構築し、ケーススダディを行うことで、システムの効率化を検討する。
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Research Products
(3 results)