2013 Fiscal Year Annual Research Report
連合国の人民:諸機関と平和と安全における政策の展開
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13F03761
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUDE Ingvild 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | 政策変更における個人の影響 / 性格 / 国際連合 / 平和と安全保障 / 安全保障委員会 |
Research Abstract |
平成25年度は, 国連に関係する諸機関と、それが平和と安全保障分野において、異なる国連の背景に与える影響について包括的分析モデルを考案した。本研究にもとづいて三つの要約論文を作成し、平成26年度に予定されている国際会議で発表予定である。論文の一つである「Theorizing Individual Agency」は分析モデルの主要概念についてまとめたもので、残りの二つの論文は「Diplomacy at the SecurityCouncil : Children and Armed Conflict」、「Women Leadership at the United Nations in Peace and Security」と題したテーマで、その分析的思考を実証的に検証したものである。研究分析に用いた事例は、二つの基準をもとに選択した。一つ目の基準は国連の平和と安全保障の鍵となる安全保障理事会において、国連に関わっている個々人の影響を考察する手がかりを提供するものであること、そしてもう一つは国連に携わる加盟国政府代表、国際公務員、市民社会団体に属する個々人の働きを実証している事例であることであった。 平成25年度の3月後半にはニューヨークで現地調査を行い、安全保障理事会の外交関係と女性のリーダーシップについての論文において、重要な実証的基礎となるものをまとめるため、20名近い専門家にインタビューを行った。インタビューの対象は国連と関係のある三つのグループであった。インタビューの対象となった人々は平和と安全保障分野における個人の影響に関する非常に繊細且つ多面的な原文資料を提供してくれることを約束してくれたため、分析モデルを更に掘り下げることが可能となった。本年度に行った個人の影響に関する分析モデルは、二つの著書の改訂に繋がり、現在査読審査中である。加えて、平成24年度後半から携わっていた、9.11以降の米国政府による武力行使についてのサイドプロジェクトについても、平成25年度に完了することができた。本研究はオーストラリア人の同僚との共著として平成26年にPalgrave Macmillan社から査読審査付で出版される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は分析モデルの構築と最初の専門家インタビューを行うことができたことから、平成25年度初頭に予定していた目標を達成することができた。更に、本年度は二つの国際認知度の高い学術誌への査読付論文をまとめることができた。また、国内の大学や研究機関、茨城県教育委員会にて講義を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は三つの国際会議において論文を発表する予定である。既に二つの会議で論文の要旨が受理されているため、6月にトルコ・イスタンブールで開催される「国連システム学術評議会」(ACUNS)、8月にドイツ・フランクフルトで開催される「Fourth Global International Studies Conference」に参加予定で、平成26年度内に当該論文が出版される予定である。更に四つ目の論文の執筆も検討中で、国連に関係する諸機関のモデルの分析も引き続き続けていく。また、更なる専門家インタビューを行うため、スイス・ジュネーブへの現地調査も予定している。現地調査では、ジュネーヴ高等研究所(HEI)のThomas Biersteker 教授主催の会議で研究成果を発表する予定である。
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Research Products
(3 results)