2014 Fiscal Year Annual Research Report
連合国の人民:諸機関と平和と安全における政策の展開
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13F03761
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授 (90112474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BODE Ingvild 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 政策変更への個人の影響力 / 性格 / 三つの国連 / 平和と安全保障 / 安全保障理事会 / 女性指導者 / 子どもと武力紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、本研究の執筆作業に多くの時間を割いた。成果となる出版物については、先に設定した2つの基準に従って進めた。 1つは、国連の平和と安全保障の鍵となる安全保障理事会(以下、「安保理」)において、国連にかかわる個々人の影響を考察する手がかりを提供するもので、平成25年にニューヨークにて収集した研究資料及びインタビュー結果に基づき、国連の女性指導者、子供と武力紛争、国連PKO政策に関連した、3本の実証的な論文を執筆した。インタビュー結果からは、安保理での意思決定についての興味深い知見が得られたが、これらの論文では、国連加盟国の外交官、国際公務員、市民社会の代表者といった異なる経歴を持つ個々人の諸機関における可能性を考察しているほか、国連における様々な場面、特に安保理について考察している。 6月のイスタンブールの国連システム学術評議会 (ACUNS)、8月のフランクフルトの第4回グローバル国際研究会議(Global International Studies Conference)にてこれらの論文を発表した。発表後の意見を含めて論文を修正し、学術誌に投稿するため、査読審査に提出した。フランクフルトでは、ドイツ外務省の外交官及びドイツ・ グローバル地域研究所(GIGA)の研究者へのインタビューも実施した。 もう1つは、個人の影響力に関する解析モデルの研究を引続き進め、「Individual Agency and Policy Change at the United Nations: The People of the United Nations」と題するリサーチ・モノグラフにまとめた。同書では、制度的・法的な地位、個人の性格、慣習的な影響力という3つの要因により、政策変更の過程における個人の影響力を説明できると結論付けた。同書はラウトレッジ社により出版される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、国際会議用の論文を2本執筆・発表し、査読審査を受けることを目標としてきた。そのほかに計画していた専門家インタビューの実施と、解析モデルの研究も達成することができた。さらに、本研究の重要な出版物である、ケーススタディと組み合わせた詳細な解析モデルについてのリサーチ・モノグラフの執筆を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には、上記の研究実績の概要で述べた2本の論文を二つの国際会議において発表する予定である。論文の抄録は既にハーグとリバプールの会議で承認されている。平和と安全保障の分野における第二の国連の女性指導者についての論文に関しては、ジュネーブでさらなるインタビュー調査を実施したいと考えている。この実地調査は、ハーグでのACUNS会議に参加する際に実施する予定である。ジュネーブ高等研究所(HEI)のThomas Biersteker教授と研究について協議し、研究発表を行うことを計画している。
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Research Products
(5 results)