2013 Fiscal Year Annual Research Report
中国とアフリカの開発協力:地球規模の社会ガバナンスヘの影響
Project/Area Number |
13F03763
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
URBINAFERRETJANS M. A. 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | 中国 / アフリカ / 南南協力 / グローバル・ソーシャル・ガバナンス / グローバルヘルス / ポスト2015開発アジェンダ |
Research Abstract |
本研究の目的は中国の役割が開発援助のアクターとしてどのような方向性を持ち、またどの程度グローバル社会ガバナンスや社会政策開発に影響を与えているかについて分析することである。2015年以降の国連開発アジェンダのプロセスにおいて、中国が掲げる福祉と社会的保護がアフリカの社会開発におけるグローバル政策にどのように普及し、どのような影響を与えうるかについて考察する。 平成25年度は専門家インタビューを行い、第一次データを入手した。インタビューの対象となったのは国連ポスト2015開発アジェンダの国連タスクチームの上級代表をはじめとする、国連機関、世界銀行、国際通貨基金(IMF)と地域委員会である。更に、国連タスクチーム事務局と持続可能な開発目標(SDGs)のオープン・ワーキング・グループ(OWG)のメンバーともインタビューを行い、アフリカ連合とアフリカ開発銀行の代表やアフリカ諸国の大使館ともインタビューを行った。更に、国連ポスト2015開発アジェンダの報告書作成や当該研究の関連課題に取り組んでいるシンクタンク、市民社会団体、研究者、教授にもインタビューを行った。現地調査に向けて、文献調査や重要な政策文書の解析を行った。国内外の会議にも参加した。研究成果はデータとして集積し、最終的には本プロジェクトの研究出版物として発表する予定である。 データ収集中に、「GlobalSocial Policy」に掲載予定の査読付論文の校正が完了した。書籍については、オックスフォード大学のDr. Surenderとの共著の「New Kids on the Block? The implications of the BRICS alliance for global social governancej と題した章のドラフト作成を進めており、Alexandra KaaschとKerstin Martens編著の「Actors and Agency in Global Social Governance)」 に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は当初の予定どおり進展しており、平成25年度当初に予定していた目標を達成することができた。体系的な包括レビュー、文書解析、15件にのぼる専門家インタビューを行うことができた。また、国際会議において学術発表も行った。個人的に出席した学会や国内のシンポジウムにおいて、国内外の研究者とのネットワーク作りにも尽力した。今後は、グローバル社会ガバナンスと国際開発における将来の研究課題に取り組む目的と研究パートナー構築を目的としたワークショップの開催を予定している。本年度は査読付の学術誌への論文の執筆も完了し、編著として出版される論文のドラフトも提出した。
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Strategy for Future Research Activity |
専門家インタビューにはじまった第一次データ収集は、平成26年度の6月まで続く予定である。平成26年度にはアメリカ・ワシントンD.C.、スイス・ジュネーブ、エチオピア・アディスアベバ、チュニジア共和国、フランス・パリ、中国・北京でインタビューを行う予定である。また、7月18日には共同研究プロジェクトと政策協力に関する国際ワークショップの開催を予定している。
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Research Products
(2 results)