2013 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストアフターグロー光度曲線から導く宇宙論
Project/Area Number |
13F03786
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長瀧 重博 独立行政法人理化学研究所, 長瀧天体ビッグバン研究室, 准主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAINOTTI Maria Geovanna 独立行政法人理化学研究所, 長瀧天体ビッグバン研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | ガンマ線バースト / 宇宙論 / ガンマ線バースト残光 / ガンマ線 / X線 |
Research Abstract |
宇宙で最も明るい天体、ガンマ線バーストを用いて宇宙そのものの大きさを測定します。これによってガンマ線バースト宇宙論を確立します。ガンマ線バーストは冒頭の通り最も明るい天体ですが、超新星爆発と違って明るさが一定していません。これが超新星爆発は宇宙の大きさを測定する方法として広く利用されている一方でガンマ線バーストがあまり用いられていない最大の原因です。本研究では、非常に明るいが、明るさにばらつきのあるガンマ線バーストをどのように宇宙論に利用出来るか、その方法を確立することが目的です。本外国人特別研究員のMaria Giovanna DAINOTTIは、近年ある非常に有望な可能性を発見しました。それは、ガンマ線バーストに引き続く残光に於いて、残光の明るさがほぼ一定であるフェーズがあるのですが、その継続時間とその一定光度の間には、強い相関があるというものです。この関係式が本当に成立するならば、ガンマ線バースト残光一定光度期間を観測することから、その残光の絶対光度が精度よく推定でき、宇宙の距離を正確に求められるというものです。この可能性は非常に有望なので、今後も世界中の衛星で測定されるガンマ線バースト残光のデータを集積し、解析を進めていきます。また更に、ガンマ線バースト残光のみを使うのでは、ガンマ線バースト本来の良さである圧倒的な明るさを有効に利用出来ているとは言い切れません。ですので残光でなく、ガンマ線バースト本体の絶対光度を推定する方法も併せて追求していきます。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に最初の論文執筆に入っています。プエルトリコから共同研究者を招聘し、順調に共同研究を進めました。現在東京大学の研究員と共同研究を開始しています。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の論文をきちんと投稿、受理させるとともに、現在進行形のプエルトリコ・東京大学との共同研究に目処をつけ、それぞれ論文としてまとめる方向を目指す。新たな共同研究の可能性も探っていき、日本滞在の二年間を充分に活かせるように、この調子で研究を進める。
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Research Products
(1 results)