2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマノイドの複雑動作生成のための効率的な数値解法の研究
Project/Area Number |
13F03796
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 英一 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 連携研究体長
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ESCANDE Adrian Claud Michel 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 外国人特別研究員
|
Keywords | 最適化 / ヒューマノイド |
Research Abstract |
平成25年度は、最適化計算の頑健化のため、(i)階層化2次計画法(HQP)の非線形への拡張、(ii)軌道生成のためのロボットの関節や力の互換パラメータ化、(iii)ロボットの姿勢導出のための中間変数の導入について、それぞれ基礎理論について研究を行った。(i)では、階層的2次計画法(HQP)を提案してきたが、これを非線形の場合に拡張し、逐次2次計画法(SQP)と同様の新たな逐次HQPを構築した。まず、等式制約のみの場合を考え、Gauss-Newton法のような近似により、非線形の場合でもHQPを繰り返し適用することで対応できることが見いだされた。さらに、繰り返し計算において、少なくとも1つの階層で改善がみられる場合に計算を進める手法により、より効率的に問題が解けることを示した。(ii)では、時間の関数である関節角や接触力を軌道最適化の変数として用いると解決が困難となる問題を解決するため、これまで行われていなかった力やトルクの最適化のパラメータへの組み込み. 接触力のヤコビ行列の時間不変の分割により、力のパラメータを軌道のパラメータに自動的に適合する手法を構築した。(iii)では、非線形問題を扱うための中間的変数とその等式を導入することで、非線形性を低減する手法を導出した。変数の数は増えるものの、問題の複雑性を減らすことで収束が高速化される可能性を検討した。(i)-(iii)の基礎的理論のそれぞれについて、数値計算ソフトウェアを用いてプロトタイプをプログラムして検証し、複雑な非線形性を持つロボットの動作最適化計算の効率化に対して有望な結果を得た。構築している最適化手法の応用例として、人体の動力学パラメータの同定への適用についても検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としていた最適化計算の頑健化に目途が付き、関連する基本理論を構築し、次年度以降に予定しているヒューマノイドロボットの動作最適化に向けて順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
基盤となる理論を構築し、まず数値計算ソフトでその有効性を確認したうえで、実際のロボットへの適用による検証を行う、という流れで研究を進める。ロボットでの検証により問題点を洗い出し、基盤となる理論の深化・高度化を図る。
|