2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格の病変や化学物質が筋肉の機械特性に及ぼす効果の研究
Project/Area Number |
13F03799
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SEGARD Bertrand-david Rene Jacques 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 細胞力計測 / 病的変異体 / 筋繊維収縮能 / マイクロデバイス / シリコンナノピンセット |
Research Abstract |
デスミン(筋アクチン架橋タンパク質)やαB-クリスタリン(低分子ストレスタンパク質)などの病的変異は筋障害に関連することが知られている。本研究では、これらの病的変異体が筋肉細胞に与える影響を、骨格筋組織を忠実に模した組織を用いて、筋細胞の収縮能・弾性・粘性について測定をすることを目的とし、研究を遂行した。 平成25年度は、まず試料や、DNA精製などの取り扱いに必要な器具等をそろえ、効率的に実験が行えるように環境を整えた。その後、以下2つの項目を研究計画として遂行を目指した。 (1)筋細胞のマイクロ組織を構築するための遺伝子導入や分化手順の確立。これについては、コントロールとなるプラスミドを用意し、C2C12細胞に導入、分化を行った。分化確認には免疫染色法とウエスダンブロッテイングを用いた。標的のタンパク質の発現量が予想値より低い結果が得られたため、これを改善・最適化した。コントロール実験で得られたプロトコルを用いて、野生型・変異型のプラスミド作製を行い、同様に、細胞への導入・分化、発現確認の実験を行った。本実験では、対象とするタンパク質に、デスミンを用いた。 (2)分化した細胞内での標的タンパク質の分布に関する正常細胞と病的細胞の比較。項目(1)に時間を要したため、細胞の機械特性比較の実験は実施できていない。機械特性比較には、シリコン製ナノピンセットを用いる予定であり、25年度は、この実験セットアップの準備を行った。倒立顕微鏡のステージ上にナノピンセットを設置し、ナノピンセットのプローブを細胞にアプローチできるようにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、研究に必要な、野生・変異型のプラスミド作製と細胞における発現実験を集中的に行った。この作業に時間を要したため、25年度に予定していた生体マイクロ組織の培養方法取得まで至っていない。研究分担者は分子生物実験の経験を有しているが、本研究所の設備・装置に慣れるためにも時間は必要である。変異型プラスミド由来の細胞は、本申請で欠かせないものであるので、優先的に行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
野生型・変位型プラスミド由来の細胞調整を完了させ、マイクロデバイスやナノピンセツトを用いた力計測評価へ移行する。マイクロデバイスなどの技術は、すでに生産技術研究所マイクロナノメカトロニクス国際研究センター内で確立しているため、すみやかに研究遂行できると考える。
|
Research Products
(1 results)