2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規合成キスペプチンを用いた有用魚類の成熟制御に関する研究
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13F03910
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松山 倫也 九州大学, 大学院農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SETHU Selvaraj 九州大学, 大学院農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | キスペプチン / BPG-axis / マサバ / 初回成熟 / 成熟促進 / 神経ペプチド |
Research Abstract |
キスペプチン(Kiss)は、脳と生殖腺を結ぶ生殖内分泌軸(BPG-axis)の最上流で配偶子形成を制御する神経ペプチドである。本研究では、Kissを用いた魚類の新しい初回成熟(春機発動)誘導法の開発を目的とする。これまでの研究代表者らによるマサバを用いた研究により, Kissは脳-脳下垂体系を介さない、脳以外でのKissの局所的生産および生殖腺への直接的作用のある可能性が示された。すなわち、合成Kissの筋肉内投与により、Kissが直接生殖腺に作用し、配偶子の発達を促進した。本年度は、このKissの新規作用機序を明かにするために、未熟マサバ雌雄の未熟期成魚の生殖腺を用いたinvitro培養実験により、Kissの添加効果をBrdUを用いた生殖細胞の増殖分裂・減数分裂促進能性ステロイド(精巣では11-ケトテストステロン ; 11KT, 卵巣ではエストラジオール-17β ; E2)の産生能で評価する。 材料 : マサバ蓄養親魚(約50尾) 方法 : L15培地(1ml)に未熟生殖腺の組織片約200㎎を入れ、Kiss1-15 (1-1000ng/ml), Kiss2-12 (1-1000 ng/ml), GnRHa (1-1000 ng/ml), HCG (1-100IU/ml), BrDU (3mg/ml)および生理食塩水添加の対象区を設け、24,48,96および120時間培養後、組織と培養液を回収し、BrDU用, 免疫組織化学用、ステロイドホルモン濃度測定用および測A発現用のサンプルを調整し、それぞれ解析する。 結果 : 現在、試料を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マサバの産卵期は4~5月で、産卵期前の12~1月の材料を使って実験を行う必等がある。実験は1~2月に終え、現在、得られた試料を解析中である。おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
マサバKiss1-15およびKiss2-12のアミノ酸残基構成に基づいた, ベプチダーゼに分解されにくいようなアミノ酸残基置換の設計を行い(D型アミノ酸残基への置換やN末端のpyro化など), 新規Kissアナログを作製する。合成ペプチドはすべて外注する。
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Research Products
(4 results)