2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13GS0007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 憲作 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60008563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 正洋 東京大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60313102)
長尾 伯 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50281647)
柏谷 英樹 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (70328376)
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Keywords | 嗅球 / 嗅皮質 / におい地図 / 伝達 |
Research Abstract |
(1)嗅球「匂い地図」の知識の総まとめ 嗅球の「匂い地図」に関するこれまでの実験結果を整理し、嗅球の糸球層の「におい分子受容体地図」は、Molecular Feature Maps(におい分子の構造的特徴地図)であり、分子構造特異的クラスターが嗅球地図の空間配置の基本要素になっていることを示した(Mori, k, et al., Physiological Review,2006印刷中)。また、各クラスターを活性化する匂い分子の「においの質」の解析から、嗅球のにおい地図は、「においの質の基本成分」を一定の配列で特定の位置に表現した「においの質の基本成分の地図」でもあるとのモデルを提唱した。 (2)嗅球の樹状突起間シナプスにおけるシナプス伝達は、覚醒・睡眠状態に依存して大きく変動する 嗅球の僧帽細胞と顆粒細胞との樹状突起間相互シナプスは、嗅球における側方抑制や嗅覚記憶に関与しているが、このシナプス伝達の大きさが脳の内部状態によりどのように調節されているかはこれまで全く研究されていない。私達はラットを用いた電気生理学的研究により、顆粒細胞から僧帽細胞への樹状突起間抑制性シナプスの大きさや持続時間が、徐派睡眠時には覚醒時と比較して大きく増大することを発見した。この樹状突起間シナプス伝達の内部状態に依存した変動は、僧帽細胞の同期活動の周派数に反映し、徐派睡眠時には同期活動の周派数は大きく減少した。(論文準備中) (3)嗅皮質ニューロンによるにおい情報の統合のメカニズムの電気生理学的解析 ラット嗅皮質のうち、前梨状葉の背側部から単1ニューロン記録をおこない、野菜やくだものに含まれるにおい分子を用いて嗅上皮を刺激し、個々のニューロンがどのようににおい情報を統合しているのかを調べた。この結果、個々の嗅皮質ニューロンは、特定のにおい分子群の組みあわせに選択的に応答し、この組みあわせ様式はニューロンごとに様々に異なっていることを見いだした。また、複数種のにおい分子の組みあわせによる嗅皮質ニューロンの活動の促通や抑制を詳細に解析した。(論文準備中)
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Research Products
(6 results)