2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13GS0010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 健作 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70128396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 一正 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10312539)
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Keywords | アクチン細胞骨格 / LIMキナーゼ / コフィリン / Slingshot / ホスファターゼ / TESK / 神経成長円錐 / Sprouty |
Research Abstract |
アクチン細胞骨格系は、細胞内外のシグナルに応答してダイナミックに再構築され、細胞の形態変化、移動、接着、分裂など細胞の動的基本活動を支える重要な役割を果たしている。本研究では、LIMキナーゼ(LIMK)とSlingshotによるコフィリンのリン酸化、脱リン酸化経路を中心に、細胞骨格を制御するシグナル伝達機構の解明と、細胞運動、形態変化を時間的、空間的に統御するシステムの解明の研究を行い、以下の結果を得た。 1)培養脊髄後根神経節ニューロンに、LIMK, Slingshot,コフィリンを強制発現させ、神経成長円錐の運動性と形態変化をタイムラプス観察した。その結果、LIMKは成長円錐の運動性と伸展速度を著しく減少させ、Slingshotとコフィリンは運動性と伸展速度を増加させた。また、LIMK1による運動性と伸展速度の減少は、Slingshotやコフイリンの共発現によって回復した。これらの結果から、Slingshotはコフィリンホスファターゼとして成長円錐の運動性の維持に関与していることが示唆された。 2)コフィリンをリン酸化するキナーゼとしてTESK1を同定したが、TESK1結合蛋白質としてSprouty-4を同定した。TESK1とSprouty-4は細胞内で共局在し、TESK1の活性を負に制御していることを明らかにした。 3)LIMK1とコフィリンの細胞周期依存的な活性変化を解析し、分裂期特異的にLIMK1の活性化とコフィリンリン酸化レベルの上昇を明らかにした。また、LIMK1の過剰発現によって多核細胞が高頻度で出現することを見出し、細胞質分裂におけるコフィリンの重要性を明らかにした。 4)マウスのSlingshot cDNAの3種を単離し、コフィリンホスファターゼ活性、アクチン結合活性、LIMK機能の阻害活性、細胞内局在、組織分布の相違を明らかにした。
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[Publications] T.Amano, et al.: "Mitosis-specific Activation of LIM Motif-containing Protein Kinase and Roles of Cofilin Phosphorylation and Dephosphorylation in Mitosis"J. Biol. Chem.. 277・24. 22093-22102 (2002)
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[Publications] O.C.Leeksma, et al.: "Human sprouty 4, a new ras antagonist on 5q31, interacts with the dual specificity kinase TESK1"Eur. I Biochem.. 269・10. 2546-2556 (2002)
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[Publications] M.Endo, et al.: "Control of growth cone motility and morphology by LIM-kinase and Slingshot via phorphorylation and dephosphorylation of cofilin"J. Neurosci.. 23・6(in press). (2003)
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[Publications] 水野健作(分担): "細胞骨格と細胞運動"シュプリンガー・フェアラーク(竹縄忠臣編). 221 (2002)